「地域循環共生圏(CES)推進コンソーシアム」の設立について

2021年10月14日
プレスリリース

本日、START International, Inc.と地球環境戦略研究機関(IGES)は、南・東南アジアの主要な学術研究機関と共同で、南・東南アジアの都市部におけるレジリエンスを高め、地域循環共生圏(CES)の理解促進を図ることを目的とした「地域循環共生圏推進コンソーシアム」を設立する協定を締結しました。コンソーシアムに参加する南・東南アジアの学術研究機関は、Visvesvaraya National Institute of Technology (インド)、Faculty of Architecture and Planning, Thammasat University(タイ)、University of Dhaka(バングラデシュ)、University of Danang – University of Science and Education(ベトナム)、Royal Thimphu College(ブータン)、University of Indonesia(インドネシア)、Ateneo de Manila University(フィリピン)、Institute of Forestry of Tribhuvan University(ネパール)の8機関です。

本コンソーシアムでは、南・東南アジアにおける持続可能性の課題に取り組むべく、CESの概念の理解を深め、活用を促進するための研究と能力開発を共同で進めて参ります。

設立の背景
アジアの都市部は、資源の過剰消費、環境悪化、人口増加、気候変動、不平等などに起因する、深刻な環境・経済・社会・政治的課題に直面しています。都市と農村の問題が連鎖・複雑化することを回避し、豊かで持続可能な社会を定着させるには、統合的な政策立案と開発計画の実施が不可欠です。

CESは、都市と農村の相互依存関係を空間的に捉え統合するアプローチにより、環境・経済・社会の問題が複雑に絡み合う持続可能性の課題に取り組むものです。CESのコンセプトの理解を促進するには、科学的根拠に基づく知識の生成、知識の共有、主要なアクターの能力開発、そして解決策の共同立案における反復サイクルの枠組みを創出することが重要です。このようにCESのアプローチは、真に参加型で、長期的なプロセスと対話を重視・促進するものでなければなりません。これを可能とするには、複数の都市が都市間で経験を反映し共有する参加型プラットフォームを構築することが必要です。2021年5月20日~21日に、レジリエントな都市をデザインするためのCESアプローチに関する第1回地域ワークショップが開催されました。このワークショップでは、アジアでCESアプローチを推進するための地域パートナーシップの必要性が強調され、アジアにおけるCESに関するコンソーシアム設立の合意につながりました。本コンソーシアムは、大学や研究機関が都市と協力して、CESフレームワークの重要な要素を取り入れながら、地域のニーズや優先課題を踏まえた研究計画を共同で策定するための地域プラットフォームとして機能します。

「地域循環共生圏」について
「地域循環共生圏」は持続可能な開発目標(SDGs)を地域で展開し、環境・経済・社会の統合的向上を目指すコンセプトであり、2018年に閣議決定された「第5次環境基本計画」で提唱されました。「SDGsのローカル化」と言える概念であり、それぞれの地域における自然共生社会、循環型社会、脱炭素社会の統合的実現を目指すものです。

 


「START International, Inc.」について
STARTは1992年の設立以来、持続可能性の重要課題に関する知識と行動を進展させるために、科学的な能力開発を推進してきました。詳細はウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。
  
「Visvesvaraya National Institute of Technology」について 
Visvesvaraya National Institute of Technologyはインドの国立技術研究機関のひとつで、マハラシュトラ州に所在しています。詳細は ウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。

「Faculty of Architecture and Planning, Thammasat University」について
The Faculty of Architecture and Planning, Thammasat University(タイ) は、社会と環境に革新をもたらし、地域をリードする学術機関を目指しています。詳細はウェブサイトをご覧ください(英語のみ) 。

「University of Dhaka」について
国内最大かつ最古の公立大学であるThe University of Dhakaは、それまで高等教育を受けることができなかった人々に高等教育を提供することを目的として設立され、現在のバングラデシュの社会・文化・政治の発展に大きく貢献してきました。詳細はウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。  

「University of Danang – University of Science and Education」について
The University of Danang (ベトナム)は、教育科学、自然科学、社会科学、人文科学分野のプログラムを提供する大規模な総合大学です。 詳細はウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。

「Royal Thimphu College」について
Royal Thimphu College  はブータンのティンプーに所在する2009年創立の大学です。Royal University of BhutanとKhesar Gyalpo University of Medical Sciencesの提携校です。 
詳細はウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。 

「University of Indonesia」について
University of Indonesiaは、インドネシア・西ジャワ州デポック市と中央ジャカルタのサレンバ市に所在する公立大学です。インドネシア最古の高等教育機関のひとつです。詳細はウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。 

「Ateneo de Manila University」について
Ateneo de Manila University は、フィリピン・ケソン市に所在するカトリック・イエズス会系の高等教育機関です。創立以来160年以上にわたり、多くの卒業生がフィリピンの経済、社会、政治、文化の発展に貢献しています。 詳細は ウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。

「Institute of Forestry, Tribhuvan University」について 
Institute of Forestry, Tribhuvan University は、森林分野の専門家育成を目的にネパールで初めて設立された公立大学です。林業研究やネパールに適した技術開発を行うほか、森林、グリーン経済、野生生物、山岳開発、コミュニティ林業などの分野において欧米やアジアの大学と共同で国際・地域・国家レベルの研究イニシアチブを実施しています。詳細は ウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。 

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES: Institute for Global Environmental Strategies)について
IGES は、アジア太平洋地域における持続可能な開発の実現に向け、国際機関、各国政府、地方自治体、研究機関、企業、NGO などと連携しながら、気候変動、自然資源管理、持続可能な消費と生産、グリーン経済などの分野において実践的な政策研究を幅広く行っています。1998 年、日本政府および神奈川県の支援により設立。本部は神奈川県葉山町に所在し、約 150 名の研究者を擁し、その 3 分の 1 強が外国籍。関西(兵庫県)、北九州、北京、バンコク、東京の各センター・事務所と共に、グローバルおよびアジア太平洋地域のネットワークを生かした戦略研究を展開しています。 詳細はウェブサイトをご覧ください。 

 


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