新型コロナウイルス感染症が環境と持続可能性に及ぼす影響について(バージョン2) -トリプルR(Response, Recovery, Redesign)の提案-

2020年12月18日
プレスリリース

2020 年12月18 日(金)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、今年5月にIGESの基本方針として公開したポジションペーパー「新型コロナウイルス感染症が環境と持続可能性に及ぼす影響について」のバージョン2として、「トリプルR(トリプル・アール)(Response, Recovery, Redesign)の提案」を発表しました。バージョン1発表後の進展を踏まえ、環境や持続性の問題をどのようにCOVID-19に関する意思決定に反映させるべきかを改めて検討しました。

本稿では、COVID-19パンデミックに特に関連の深い、医療廃棄物の問題や野生動物と人間との関係、大気汚染による影響などを取り上げ、感染症に対するレジリエンスの強化について分析したほか、脱炭素化に向けた戦略にも関係するライフスタイルやワークスタイルなどにも焦点を当てました。そして、これらの問題に関して、IGESが提唱する「トリプルR」フレームワークの観点から整合的かつ戦略的な施策の重要性を論じています。

5月のポジションペーパーでは、このパンデミックとそれがもたらす広範な影響に対して、短期的・中期的・長期的な観点から分析し、行動することが重要との視点を示しましたが、「トリプルR」フレームワークはそれを発展させ、レスポンス=喫緊の課題解決のための対策、リカバリー=発展経路の変更につながる政策と経済刺激策、リデザイン=公正な移行を加速するための社会経済システムの大転換として定義し、危機からの復興と持続可能な世界の構築を目指すものです。
なお、本フレームワークについては本稿と同時に発刊したディスカッションペーパー「A Sustainable COVID-19 Response, Recovery, and Redesign: Principles and Applications of the Triple R Framework」(英語)にて詳しく論じています。

 

IGESは、引き続き国内および国際的なパートナーと協力して、人々の健康と地球の持続性・レジリエンスの確保に向けた変革を推進していく決意です。


ポジションペーパー「新型コロナウイルス感染症が環境と持続可能性に及ぼす影響について-バージョン2 -トリプルR(Response, Recovery, Redesign)の提案-」
https://www.iges.or.jp/jp/pub/covid19-ver2-j/ja