「行き当たりばっちり」の地域GX ― 西粟倉村副村長と考える「ブレない軸」とアダプティブ・ガバナンス ― ウェビナーサマリーレポート

Event: 「行き当たりばっちり」の地域GX ─ 西粟倉村副村長と考える「ブレない軸」とアダプティブ・ガバナンス ─
Date: 2026.06.24
Conference Proceeding
「行き当たりばっちり」の地域GX ― 西粟倉村副村長と考える「ブレない軸」とアダプティブ・ガバナンス ― ウェビナーサマリーレポート

地域GXを地域の持続的な発展につなげるためには、地域資源をどう価値に変え、事業を生み出していくのかという地域経営の視点が不可欠です。一方で、人口減少や財源の制約など、地域を取り巻く環境が変化し続けるなか、最初から完璧なマスタープランを描くことは容易ではありません。こうした地域の抱えるGXの難しさを踏まえ、岡山県西粟倉村の上山隆浩副村長・CGOを迎え、「行き当たりばっちり」の地域GXをテーマに「西粟倉村では、なぜ20年間事業を生み出し続けられるのか」を考えるウェビナーを開催しました。

同村は2004年の平成の大合併で自立の道を選んだものの、当初は岡山県下で最も財政力が低く、観光施設の赤字と「村には何もない」というネガティブな認識からの出発でした。しかし、外部人材の視点を取り入れることで森林を最大の自然資本と再定義し、2008年に「百年の森林構想」を宣言。「50年先に、百年の森林に囲まれた上質な田舎を実現する」というビジョンを掲げ、今日までに約70社のローカルベンチャーと約230人の雇用を生み出し、これら企業の売上高は約23億円に達しています。森林を起点に、まず林業の基盤を整え、そこで生じる未利用材の活用からバイオマスへ、さらに地域で事業を担う人材を育てるローカルベンチャーへと展開。その後、脱炭素や生物多様性といった新たな社会課題・政策潮流を、これまでの取り組みに重ねながら、森林の価値を段階的に高めてきました。

本ウェビナーでの議論を通じて浮かび上がったのは、「行き当たりばっちり」とは、場当たり的に施策を進めることではなく、ブレない軸を持ちながら、変化に応じて学び、動き、次の一手を選び続ける地域経営のあり方だということです。完璧な計画を待つのではなく、まず動いて現場から学び、地域の実績の上に新たなテーマを積み重ねていく。この適応しながら進化するアダプティブ・ガバナンスこそ、地域GXを一過性の環境施策にとどめず、地域資源を起点に新たな価値や事業を生み出し続ける地域経営へとつなげる鍵となります。

Date: