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国連環境計画(UNEP)が発表した「Emissions Gap Report 2021: The Heat Is On - A World of Climate Promises Not Yet Delivered」エグゼクティブ・サマリーの日本語翻訳版(暫定非公式訳)。予想される温室効果ガスの排出量とパリ協定の目標を達成するために削減すべき排出量との差である「排出ギャップ」について分析を行っている。
今回の報告書は、最新の国別排出削減目標(NDC)および2030年に向けた緩和策の誓約について、2030年の世界の排出量や排出ギャップに限定的な影響しか与えず、2030年の予測排出量はこれまでの無条件NDCと比較して7.5%しか削減を上積みできないことを明らかにしている。一方で、温暖化を2℃に抑えるには30%の削減、1.5℃に抑えるには55%の削減が必要となる。今世紀いっぱいNDCと誓約のレベルでの削減努力が継続した場合、2.7℃の温暖化をもたらすことになると指摘している。ネット・ゼロの誓約が完全に実施されれば温暖化を2.2℃に抑えることができるが、GHG排出量の約80%を占めるG20メンバーの誓約は、ネット・ゼロに向けた明確な経路に乗っていないと強調している。また、今回の報告書では、排出ギャップを埋めネット・ゼロ達成に向けた機会となるコロナ禍の経済刺激策がグリーンリカバリーの加速にどの程度活用されているかも評価した。さらに、現在2番目に大きな人為的気候強制力を持つメタンの排出削減、およびパリ協定第6条の協力的アプローチと市場メカニズムに関しても分析を行っている。
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