欧州の気候市民会議の特徴と日本へのインプリケーション ガバナンスと情報提供を焦点として

Briefing Note

本報告書は、2023年6月にIGESが作成した「欧州気候市民会議に関する調査報告書(2023年度版): 欧州気候市民会議調査報告書~気候市民会議の効果的な地方展開を目指して~

(https://www.iges.or.jp/jp/pub/cca-report-fy2022/ja)」のアップデートバージョンとして作成したものである。また、2024年度からIGESが実施することとなった環境研究総合推進費の「気候変動緩和にむけた温室効果ガスおよび大気質関連物質の監視に関する総合的研究(S-22)」の一環として、日本における自治体による気候市民会議における衛星情報などの効果的活用を念頭に企画し、取りまとめたものである。

英国に本拠があるKNOCA(Knowledge Network on Climate Assemblies:気候変動に関する知識ネットワーク)の主宰であり、欧州の気候市民会議の知的なリーダーとして活動してきた、グラハム・スミス氏は、2024年半ばに、これまで欧州の多くの国において行われてきた気候市民会議の特徴や現状、さらには将来の課題について総合的に論じた“We Need to Talk About Climate”を取りまとめ、これを出版した。本稿の第1章は、その内容を特に日本気候市民会議を念頭に、いくつかの主要なポイントに従ってまとめたものである。主要ポイントごとに、日本の基礎自治体による気候市民会議へのインプリケーションにも言及するようにした。

第2章は、欧州における自治体レベルの気候市民会議のイノベーションの詳細について、KNOCAが作成したブリーフィングペーパー「欧州の自治体レベルの気候市民会議からのレッスン」の要約を行ったものである。日本の自治体レベルの気候市民会議の多様な展開に参考となるメッセージが多く含まれている。

第3章は、S-22の研究課題と密接に関係する、気候市民会議にどのような情報をインプットすべきかに関し詳しく論じたKNOCAの「気候市民会議における知識キュレーション」に関するペーパーの要点を取りまとめたものである。

以上、特に第3章の内容を踏まえ、IGESは2025年6月に「気候市民会議における情報提供に関するワークショップ」を実施した。ワークショップの焦点は、情報提供とガバナンスとの関係に置いた。第4章はその主要なポイントを記録したものである。

Date: