第1回グローバル・ストックテイク(GST)技術的評価に向けた『各国目標(NDC)の効果と進捗に関する統合報告書』

 2021年11月に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第26回締約国会議(COP26)において、パリ協定の世界全体の進捗状況を評価する仕組みであるグローバル・ストックテイク(GST)が始まった。これを受けて2022年3月以降、UNFCCC事務局は、4つの統合報告書を公開する。これら統合報告書は、国連気候変動政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書等の様々な情報源と共に、GSTの技術的評価に必要な情報を提供する。
 本稿では4つの統合報告書のうち、『NDCの効果と進捗に関する統合報告書』(UNFCCC,2022)のポイントを分かりやすく解説する。NDCとは、パリ協定の下で各国が定める目標のことであり、そこには各国の2030年数値目標やより長期的な目標、緩和と適応に関する行動や必要な支援に関する情報が盛り込まれている。同報告書は、2021年12月31日時点、UNFCCC事務局が管理するNDC登録簿に記録された全ての締約国(193か国)の最新のNDCを統合した結果を示す。
 

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