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パリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)のように先進国、途上国の区別なく全ての国が参加するような国際約束が相次いで採択され、発効した。このような状況の下、国の政策や施策を地域の社会経済状況を考慮しながら具体化し、実施に移していく上で、地方自治体の役割が重要になっている。しかし、アジアの途上国では、このような国際条約に対する国の方針において都市の位置づけが明確になっていない、あるいは地方自治体のキャパシティが十分でないなどといった理由で、都市の取組が十分には進んでいない状況にある。国の方針における都市の位置づけは各国政府の意向によるものの、地方自治体のキャパシティ不足に対しては、実務者同士が直接必要な情報や意見を交換し、ともに課題解決に取り組むことができる都市間連携を通じた国際協力(都市間協力)が有効である。北九州市は、連携都市や対象分野の多さ、連携期間の長さ、国際的な認知度などといった観点から見て、北九州市は日本の都市間協力のトップランナーであり続けてきたと言っても過言ではない。 本稿は、北九州市が都市間協力をどのように始め、協力活動を継続、拡大、深化させてきたのかといった観点から情報の整理を試みた。第2章では北九州市の概要と都市間協力に取り組む背景情報を概観し、第3章ではアジア5都市(大連市、プノンペン都、スラバヤ市、ハイフォン市、マンダレー市)との都市間協力の事例を取り上げる。第4章では前章を踏まえて北九州市が都市間協力を継続、拡大、深化させ、都市間協力のトップランナーであり続けられる要因について整理するとともに、今後の都市間協力の展開について議論する。
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