おすすめの一冊:『相馬移民と二宮尊徳 今役に立つ、地域復興の思想と実践』/太田浩史著

建設通信新聞
2022年3月31日
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おすすめの一冊:『相馬移民と二宮尊徳 今役に立つ、地域復興の思想と実践』/太田浩史著

 東日本大震災後の2013年3月に福島県南相馬市で行われたシンポジウムで著者の太田浩史住職(富山県南砺市在住)のお話が大変印象に残ったのでこの機会にご紹介したい。
 17世紀後半の天明の飢饉により相馬中村藩は、人口の激減、田畑の荒廃が進み、移民や財政再建を進めても先が見えない状況だった。打開策を求めて江戸で勉学していた藩士の富田高慶は報徳仕法の実践成果を聞き、二宮尊徳に入門し一番弟子になり、1845年から尊徳に代わり領内226の村のうちの101の村で報徳仕法を実践し、55の村の立て直しに成功したという。後に富田高慶は『報徳記』をまとめ、報徳仕法の根本を「至誠」とし、これを実施するにあたって「勤労」、「分度」、「推譲」が必要だとした。
 ピーター・ドラッカーはマネージメントの本質を”integrity”と言い表している(日本語では真摯さと訳されている)が、江戸後期の人口減少・低成長の時代で、徹底的に地力を測り実践事例を作る村を選定し、的確な農業技術で収量を確保し、その成功を他の村に展開していく手法の本質は、現代日本にも有効であろう。是非、当時の様子を本書で体感してみてはいかがでしょうか。

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