再エネ100%シナリオは本当に「現実的ではない」のか?《 補論 》―2021 年5 月 IGES コメンタリーに対するRITE からの解説への応答―

Commentary (Op. Ed)

●2021 年5 月24 日に公表(6 月7 日に一部追記し差し換え)したコメンタリーに対して、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)殿から解説資料が公開された。その中で、当方からの指摘が「限界費用」と「平均費用」を混同した誤解やモデルの理解不足に基づくものであると解説されている。

●まず、当方のコメンタリーにおける指摘は、限界費用と平均費用を混同したものではない。電源構成シナリオのコストを議論するにあたり、限界費用における価格形成を暗黙の前提とし、事業者の利潤が大半を占める価格を「電力コスト」として提示することは妥当ではないと考え、「電力コストが大幅に上昇する」という主張に議論の余地があることを示したものである。また、検討されるべきオプションに関する当方の指摘についても、当初は資料には明記されていなかった情報がRITE から開示されたが、必ずしも当方の指摘の真意を捉えているとは言い難い。

●いずれにせよ、「再エネ100%シナリオは大幅に電力コストが上昇し現実的でない」という評価については様々な前提に依存することが明らかとなり、このシナリオが現実的でないと評価する根拠は十分とは言えない。今後、特定のシナリオを排除することなく建設的な議論が行われることを期待したい。

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