自治体による環境国際協力に対する市民の支持構造:地球温暖化に関する国際都市間連携への示唆

In Kankyo kagaku kai shi (環境科学会誌)
Volume (Issue): 24(2)
Peer-reviewed Article

一般市民を対象とした社会調査を横浜市と北九州市で行い,地球温暖化及び国際協力に関する態度から市民をグループ分けし,都市間環境国際協力に対する支持構造を明らかにした。調査では都市間環境協力の支持の程度,及び協力において重視する点,日本政府の京都議定書達成のための途上国からの排出枠利用に対する考え方,日常生活における温暖化対策行動の実施状況,ボランティア実績,海外寄付実績,途上国訪問経験などを尋ねるとともに,調査謝礼を原資とするカーボンオフセットの実施機会を提供してカーボンオフセットに関する市民の実際の行動を把握した。主成分分析及びクラスター分析の結果,排出枠利用肯定環境国際貢献派,排出枠利用否定環境国際貢献派,排出枠利用肯定環境国際貢献消極派,排出枠利用否定環境国際貢献消極派および環境国際貢献無関心派に分かれることが示された。環境国際貢献派の2グループはいずれも構成比率最大の排出枠否定環境国際貢献消極派よりも自治体の環境国際協力に対して支持的である。すなわち自治体環境国際協力に支持的であっても排出枠利用について否定的なグループが存在することが示された。排出枠否定環境国際貢献派は日常の温暖化対策行動の実施比率が高い。自治体が温暖化に関する国際協力を行いその代わりに排出枠を獲得し自治体の温室効果ガス削減目標の一部を達成するといった連携を行うことに対して,このグループは否定的な可能性がある。

Author:
Takaaki
Kato
Date: