6月14日(月)~24日(木)、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第8回会合がオンラインで開催されました。本会合において、本年開始予定の以下2つの評価報告書のスコーピング文書(評価報告書の評価対象や評価方法などを定める文書)が採択されました。
- 「生物多様性、水、食料及び健康の間の相互関係に関するテーマ別評価」
- 「生物多様性の損失の根本的要因、変革の決定要因及び生物多様性2050ビジョン達成のためのオプションに関するテーマ別評価」
これらの評価報告書は、2030年のSDGs達成に向けた生物多様性の役割や、気候変動分野でも近年注視されている「トランスフォーマティブ・チェンジ」(社会変革)のあり方などについて科学的に評価するもので、私たちの豊かで安全な生活ならびに生物多様性条約が掲げる2050 ビジョン「自然との共生」達成に向けて非常に重要なものです。そこで、国内関係者向けに、地球環境戦略研究機関(IGES)は、環境省主催の結果報告会を、下記のとおり共催しました。
Event Details
オンライン
環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性戦略推進室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8275
室長 中澤 圭一(内 6480)
室長補佐 大澤 隆文(内 6484)
専 門 官 竹原 真理(内 6663)
Presentation Materials
プログラム
1) | IPBES総会第8回会合結果概要 中澤 圭一 環境省自然環境局 生物多様性戦略推進室長 |
PDF (1.5MB) | |
2) | 政策支援及び第2期作業計画に関する専門家所見 香坂 玲 名古屋大学大学院 環境学研究科 教授 |
PDF (3.0MB) | |
3) | 学際的専門家パネルとしての所見 橋本 禅 東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授 |
PDF (388KB) | |
4) | IPBES総会第8回会合に関する専門家所見 白山 義久 京都大学 名誉教授 |
PDF (308KB) | |
5) | 侵略的外来種評価の進捗報告 守分 紀子 IPBES侵略的外来種評価技術支援機関 ヘッド |
PDF (1.1MB) |
敬称略
IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)について
生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2012年に設立された政府間組織。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進めるIPCCの例から、生物多様性版のIPCCと呼ばれることもある。IPBESの成果物は世界中の科学者・専門家らによって執筆され、加盟国政府により構成される総会による承認後、公表される。2021年3月現在、137カ国が加盟、事務局はドイツのボン。これまでに、生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論、花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産、地域・準地域別の生物多様性及び生態系サービス、土地劣化と再生、地球規模での生物多様性と生態系サービスに関する評価報告書を作成・公表している。
IPBES webサイト https://www.ipbes.net/
環境省 生物多様性科学と政策の統合(IPBES) http://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/international/ipbes/index…
IGESのIPBESへの貢献について
IGESは2015年以降、日本国環境省の協力のもと、IPBESアジア・オセアニア地域評価の技術支援機関(IPBES-TSU-AP)を設置。2018年に発表された同評価報告書の作成に主要な役割を果たしたほか、2019年2月から「侵略的外来種に関するテーマ別評価」の技術支援機関を担っています。また、生物多様性条約(CBD)事務局が運営する生物多様性日本基金の支援によるアジア・オセアニア地域におけるIPBESに関する能力構築事業の実施やIGES研究員のIPBES報告書執筆への参加などを通して、IPBESの活動に幅広く貢献しています。