環境ビジネスは、市場経済における一つの産業セクターであると認識されがちである。しかし、環境ビジネスの本流は、市場経済においてではなく、政府でも市場でもないサードセクターにあり、地域に根ざした組織によって担われるだろう。実際、そのような動向が世界各地で現れつつある。
非営利組織や協同組合等で構成される地域に根ざしたサードセクターは、市場による「交換の経済」や政府・自治体による「再配分の経済」と関係しながら、「互酬の経済」を構築しようとする。市場には「市場の失敗」があり、政府・自治体には「政府の失敗」がある中、市場か政府か、といった単純な構図で解決の方策を見出すことは困難であり、サードセクターの役割への期待が高まっている。