日本の農村部における電気自動車の普及戦略の検討:地方自治体における「まちづくり」としてのEV施策の必要性

Discussion Paper
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日本の農村部の主要な交通手段である自動車利用を支える地域のガソリンスタンドについて、その多くが地下タンクの老朽化などの課題を抱え、その更新に莫大な費用を要することから、設備の寿命や経営者の高齢化に伴い、突如として閉鎖・廃業する事例が増加している。地域内にガソリンスタンドが3か所以下の市町村(SS過疎地)数は全体の2割以上あり、その数は今後増加していくことが予想される。地域住民の移動手段を確保し、生活環境の改善や災害対応の責務を担う地方自治体にとって切実な地域課題であり、設備更新費用を自治体が負担したり、地域住民が共同で出資して運営を続ける事例がみられる。一方、ガソリンスタンドの設備更新は、化石燃料を使う仕組みの長期継続(ロックイン)につながりかねないため慎重な検討が必要である。多くの地域がカーボンニュートラルを宣言し、電気自動車の総保有コスト(Total cost of ownership)が世界の多くの地域で既に内燃機関自動車のそれを下回っている状況において、電気自動車を中心とした仕組みへの転換(トランジション)に向けた戦略を検討することは有益である。
そこで本稿では、まず、既往研究等の文献調査に基づき、日本の農村部における電気自動車普及の意義と課題について整理を行った。また、農村部における電気自動車普及の有効な施策に関する示唆を得るため、家庭における電気自動車の購入意欲に影響を与える主な要因と、それら要素間の関係性、およびそれらの居住地域区分ごとの違いについて分析した。全国の家庭を対象としてアンケート調査を行い、構造方程式モデリング(SEM)手法を用いて統計的に解析を行い、居住地域区分ごとに結果を比較すると共に、農村部におけるクラスタ構造についても分析を行った。

Author:
Sebastian
Escobar
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