今年11月にブラジルで開催される国連気候枠組条約(UNFCCC)第30回締約国会議(COP30)では、適応に関する世界全体の目標(Global Goal on Adaptation: GGA)が大きな焦点の一つとなることが予想されます。
パリ協定7条1項に規定されたGGAは、「適応能力の向上」、「気候変動に対する強靭性強化」、「脆弱性の低減」と数値化が難しい3つの要素から構成されています。近年の交渉では、GGA達成に向けた具体的な進捗評価をどのように行うかに焦点が当てられ議論が行われてきました。
直近の交渉を見ると、2023年のCOP28では、GGAの達成に向けた進捗状況レビューの指針として「グローバルな気候レジリエンスのためのUAEフレームワーク」が採択されました。UAEフレームワークは、2030年を期限とした7つのテーマ別および4つの適応政策プロセス別の目標から構成されています。翌年のCOP29にかけては、これら11個の目標達成に向けた進捗状況を測定するための指標(indicators)の設定や報告のあり方について活発な議論が進められました。しかし、先進国と途上国の間で「適応行動のどの側面を、どの程度の共通性をもって測るべきか」等といった点に依然として大きな隔たりがあり、GGA達成に向けた進捗の可視化と評価をめぐる交渉は、正念場を迎えています。
COP30では、GGAの達成進捗度を測る100以下の指標の合意形成に向けた交渉が行われる見通しです。これらの指標は、今後の国際社会における適応策の実施や資金配分のあり方を左右する重要な要素となります。こうした動きは、企業や自治体にも影響があるとみられ、気候リスクを事業機会に転換する視点と、国際基準に沿った報告・投資戦略、そして地域協働の3点を意識することがより一層重要となります。
本ウェビナーでは、これまでの交渉の軌跡を振り返りつつ、GGAの指標をめぐる主要な論点を整理し、COP30での合意の可能性や、合意後の日本社会への影響についての解説を行いました。
なお、本ウェビナーに登壇した研究員が執筆した記事を、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)のCOP30特集ページでもご覧いただくことができます。
Event Details
オンライン
IGES ウェビナー事務局([email protected] )
Presentation Materials
COP30直前ウェビナーシリーズ第2回 司会進行: ⽔野 理 気候変動 プログラムディレクター | |||
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| 開会挨拶 | ⽔野 理 気候変動 プログラムディレクター | ||
| 適応分野におけるこれまでの国際交渉の振り返り | 松尾 茜 気候変動 リサーチマネージャー | PDF (1.5MB) | |
| COP30で100個の指標採択が期待されるGGA交渉の最新状況を解説 | |||
| 日本の適応計画とGGA指標採択の影響 | 木村 直子 気候変動 研究員 | PDF (1.1MB) | |
| 質疑応答 | |||