洋上風力発電の展望と変電電源の電力システムへの統合

In エネルギー・資源
Volume (Issue): Vol. 39, No. 5 (2018)
Peer-reviewed Article

地球温暖化の主因である化石燃料を削減するカギは電力の発生方法である。1990年代以降、電力の低炭素化は進んでいる。世界的に風力発電の普及が進んでいるが、OECDヨーロッパでは、洋上風力発電の普及が目覚ましく、特にデンマークが先導している。デンマークでは1991年に世界初の沖合風力発電ファーム(OWF)が運開し、大型化も進んだ。2010年代に入るとヨーロッパ周辺諸国にもOWF、OWFの大型化が進んだ。世界的に再生可能エネルギー化が進んでいるが、特に太陽光発電と風力発電が目立っており、天候により出力は左右されるものの開発ポテンシャルは大きく、変動電源(VRE)と呼ばれる。日本の電力システムは世界最高水準にあるが、VRE導入は世界から大きく遅れている。国土の適地は少ないが、広大な排他的経済水域(EEZ)には大型のOWFを建設できる有望なゾーンが多数あり、洋上風力開発が活路になる。

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