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機械的・生物学的処理(MBT)は、投棄される廃棄物の量を削減するために埋立前に行う事前の処理手法である。MBTでは、文字通り機械的な破砕・選別プロセ
スと、生物学的処理(好気性・嫌気性分解など)を組み合わせて処理を行う。MBTは、廃棄物処理という観点からは、系統的分別がされていない家庭から出る
未分別の廃棄物にも適用できるというメリットがある。MBT施設では、様々な目的のため多数のプロセスを様々な組み合わせで利用することができる。資源の観
点からは、廃棄物由来の固形燃料(RDF/SRF)の生産にもMBTを用いることができ、選別プロセスにより金属などのリサイクル資源を回収できるメリットもある。また、嫌気性消化によってバイオガスも回収できる。嫌気性消化プロセスによって生成される発酵残渣に加えて、好気性プロセスからはコンポスト様生成物(CLO)として知られる安定した有機の最終生成物が得られる。発酵残渣とCLOはいずれも土壌の有機物資源として、あるいは埋立覆土の修復材として使用できる場合がある。また、裏込め材や骨材などの建材としても再利用できる。
本ガイドラインは、アジアの開発途上国の都市を前提に、主として一般廃棄物と産業廃棄物である都市廃棄物(MSW)の機械的・生物学的処理(MBT)技術に焦
点を当てている。本ガイドラインは、国、都市レベルの意思決定者および政策立案者、ならびにエネルギープラントなどの関係者、また代替燃料の供給源を探している製造業者が廃棄物処理の改善に役立つ適切かつ戦略的な選択肢としてのMBT技術の導入の実現可能性についての検討を支援することを目的としている。
本ガイドラインは、(1)MBT技術についてその長所と短所を含め全体像が理解できるようにするとともに、持続可能なMBT施設を計画する上での技術的および非技術的側面について説明し、(2)MBT技術の導入可能性を検討する際に、基準を客観的に判断および評価するための意思決定プロセスにおける主要評価基準と事前チェックフローを提案する、ものである。
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