開催趣旨
2015年9月に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核をなす「持続可能な開発目標」(SDGs)は、2030年に向けて国際社会が目指す目標としての共通言語となり、世界はSDGs達成に向けた実施段階に入り、多くの取り組みが実践的に進められるようになりました。
SDGsステークホルダーズ・ミーティングは、国際社会及び国内におけるSDGsの実施状況を共有するとともに、環境側面からのSDGsの取り組みを推進するために、民間企業や自治体、NGOなどの様々な立場から先行事例を共有して認め合い、更なる取り組みの弾みをつける場として2016年度(平成28年度)から開催しているものです。
概要
昨年度は、地域におけるSDGs関連取組の進捗状況や、ステークホルダーを巻き込みながらシナジーの創出や将来像を描いていく取組事例を共有しました。これらを通じて、最新動向や好事例を把握し、理解を深めることの重要性が改めて認識されました。 こうした流れを踏まえ、本年度は、「SDGs達成とポストSDGsに向けた地球環境課題の統合的解決のための好事例と世界への発信」をテーマに、SDGsに関する最新動向、自治体や企業等による取組事例を紹介しました。また、SDGsをめぐる現状と課題も踏まえ「環境分野におけるSDGs達成に向けた取組の優先事項」、及び、今後本格化する「ポストSDGsの議論に向けた取組方針」についてSDGsステークホルダーズ・ミーティング構成員やSDGs推進円卓会議環境分科会構成員を交えた議論を行いました。
今回の議論では、SDGsの達成に向けてアジア太平洋シナジーレポート作成等を通じてシナジー創出の実践を支援することやステークホルダーとの対話・共創を促進することの重要性、また、ポストSDGsの議論においてはビヨンドGDPやウェルビーイング・生成AIによる社会経済の変容といった新たな要素を鑑みた議論の必要性等が指摘されました。
【SDGs達成に向けた方向性や環境分野における取組の優先事項~シナジーや共創の促進等~】
- ● 7月のESCAP- CED(環境と開発委員会)閣僚級会合では、閣僚宣言と地域行動計画が主要採択文書となる予定で、アジア太平洋シナジーレポートの要素を組み込んだ形で地域行動計画が採択されるよう働きかけている。
- ● 2027年ESCAP総会で地域シナジーイニシアティブ採択を目指す。
- ● 今後の方向性として、VNR報告書では、社会課題解決を成長のエンジンに転換した取組推進、誰一人取り残さない理念実現への貢献、日本の取組・知見をモデルとした途上国との共創推進、人間の尊厳・人間の安全保障推進、2030年以降の国際的な持続可能性に関する議論・ルール形成に主導的な役割を果たすことを記載。
- ● 2024年度時点で自治体の66.5%がSDGsに取り組んでいるが、残り33.5%のうち人口5万人未満の小規模自治体が多くを占めるため、内閣府では「地方創生SDGs課題解決モデル都市」を選定して専門家を派遣する等、引き続き取り組む。
- ● 地方には、環境問題・SDGsに関する探求型学習のような教育を受ける機会がないといった教育格差があり、その解消に取り組みたい。
- ● SDGsが法的拘束力のない中、誰一人取り残さない包摂社会の実現という重要な基本原則が、脱炭素政策等でどう進んでいるのか、シナジーも踏まえ見ていくことが重要。
- ● イヌワシの野生復帰の取組等は、希少生物の保全だけでなく人間社会と自然との共生、Living in Harmony with Natureの体現であり、SDGsが求めているもの。
- ● 企業への期待として、企業の地域共創やサステナブルへの取組が非常に増えていることを心強く感じており、特定のエリアだけではなく他地域の課題解決にも活用できるので、地方創生SDGs官民連携プラットフォームを通じ、積極的な提案をいただければ有り難い。
- ● シナジーの重要性は分かっているが、どのようなやり方をしたら17の目標やポストSDGsに整合する取組を推進できるか悩んでいる企業もいる。気をつけるべきポイントや目安となる基準を議論、提示してはどうか。
- ● 日本は官民で意見をまとめるプロセス/姿勢を持っており、SDGs達成に向け邁進する中で見えてくる課題やアイデアを皆で共有しつつ環境立国として頑張っていけるとよい。
- ● マルチステークホルダーは定着してきているが、ステークホルダー間のシナジー創出はこれからという印象。統合的な問題解決に向け、あらゆるリソースの活用が求められる中、共創は大事であり、そういった先進事例を共有してはどうか。
【ポストSDGsの議論に向けた取組方針~必要なテーマや考え方等~】
- ● 産学連携の化学工学会では、efficiency(効率性)+ sufficiency(充足性)というコンセプトを打ち出し、資源依存度を下げる等の効率性と、従業員のやりがいや地域社会との親和性、過剰品質排除等の充足性に取り組む。充足性は人の視点に立つということであり、ビヨンドSDGsの方向性とも合っている。
- ● ビヨンドGDPのような幸せ・ウェルビーイングを重視した議論と金融の枠組を整合させることが必要。人と自然・環境問題と金融のあり方を巻き込んだポストSDGsの議論や認識を広げる取組を期待したい。
- ● 戦争、気候変動等に直面する中、15世紀のルネサンスが過去の知恵から未来を見直したように、日本に培われたものからウェルビーイング・ルネサンスを起こしてはどうか。共創や利他、地球との共生を中心に、AI等を組み合わせ、文明のOSをアップデートできることを世界に発信していきたい。
- ● 生成AIにより社会経済が大きく変容し、エネルギー、水資源といった環境面にも大きなインパクトが生じている。ビヨンドSDGsでは、この点について検討が必要。
- ● ビヨンドSDGsの提供する機会と可能性として、日本から大阪万博のレガシー継承やビジネス環境整備、トランスフォーメーションを加速するシナジー促進とトレードオフ解消を強調できるのでは。
- ● ビヨンドSDGsでは、アウトプットベースより意味のある成果やインパクトを意識した指標設定が重要。その共有によって、インパクト拡大に向けた改善につながる。
- ● 2025年1月発足の「ビヨンドSDGs官民会議」では、目指す姿やガバナンスのあり方、どういうエビデンスを持ってくるべきなのかという点を強化して議論。ビヨンドSDGsのガバナンス等、研究によるプロセスへのインプットも重要。また、ステークホルダー・ダイアログが大事だと考えており、本会合等、国のリーダーシップでステークホルダー・ダイアログの実施を検討してほしい。
Event Details
オンライン
IGES SHM事務局
E-mail: [email protected]
Presentation Materials
プログラム
| 資料一括ダウンロード(圧縮zipファイル 20MB) | |||
| 議事次第 | PDF (111KB) | ||
| 資料1 | 出席者リスト | PDF (147KB) | |
| (1) SDGsに関する最新動向等について | |||
| 資料2 | 発表資料 | 環境省 | PDF (2.0MB) |
| 資料3 | 発表資料 | 外務省 | PDF (1.6MB) |
| 資料4 | 発表資料 | 内閣府 | PDF (1.5MB) |
| (2) SDGs達成とポストSDGsに向けた地球環境課題の統合的解決のための取組事例 | |||
| 資料5 | 発表資料 | 蟹江 憲史 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授 | PDF (2.0MB) |
| 資料6 | 発表資料 | 藤野 純一 地球環境戦略研究機関(IGES)プリンシパルシナジーコーディネーター | PDF (2.0MB) |
| 資料7 | 発表資料 | 岡崎 修司 横浜市脱炭素・GREEN×EXPO推進局脱炭素社会移行推進部長 | PDF (4.4MB) |
| 資料8 | 発表資料 | 木村 篤 すさみ町役場地域未来課地域活性化起業人 | PDF (5.4MB) |
| 資料9 | 発表資料 | 宮田 千夏子 ANAホールディングス株式会社参与(SDGs担当) | PDF (1.0MB) |