パリ協定には、年月とともに段階的に向上する各国の危機感と野心、技術の発展を加味し、新しい約束(プレッジ)が従来のプレッジを超えていく仕組み、「ラチェット・メカニズム」が組み込まれています。ラチェット・メカニズムの構成要素は3つあります。5年ごとに策定・提出する国が決定する貢献(NDC)(第4条)、各国の行動や支援の透明性を高めていくことにより、お互いの進捗状況をチェックしあうことを可能とする「強化された透明性枠組み」(Enhanced Transparency Framework: ETF)(第13条)、そしてETFや気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等からの情報をベースにパリ協定の長期目標の達成に向けた全体の進捗状況を5年ごとに確認する「グローバル・ストックテイク」(Global Stocktake: GST)(第14条)です。
昨年のCOP28で初めて実施されたGSTでは、2030年までに再生可能エネルギーの発電容量を世界全体で3倍にし、エネルギー効率改善率を2倍にすることへの努力を加速すること、そして、化石燃料からの脱却を目指すこと、などが合意されました。この結果を受け、各国は2025年2月10日までに、より高い野心を掲げた次期NDCを提出する必要があります。本ウェビナーでは、GSTの成果を振り返り、次期NDCに求められる課題と期待について解説しました。また、11月5日に実施された米国大統領選挙の結果が、次期NDC策定にどのような影響を与えるかについても最新の見解をお届けしました。
Event Details
オンライン
IGES ウェビナー事務局([email protected] )
Presentation Materials
「進捗評価から目標設定へ:グローバルストックテイク(GST)の成果を踏まえた国が決定する貢献(NDC)策定への期待-米国大統領選挙の結果を踏まえて」 司会進行: 田村 堅太郎 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター | |||
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5分 | 開会挨拶 | 田村 堅太郎 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター | |
25分 | 「グローバルストックテイク(GST)の振り返りと国が決定する貢献(NDC)への期待」 津久井 あきび 気候変動とエネルギー領域 フェロー | PDF(1.8MB) | |
「国が決定する貢献(NDC)への期待-米国大統領選挙の結果を踏まえて」 田村 堅太郎 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター | PDF(2.3MB) | ||
30分 | 質疑応答 |