公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、環境省が3月6日に主催するオンラインシンポジウム「生物多様性とライフスタイル~新しい日常に向けてわたしたちができること~」を共催します。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響により、世界は生活様式の変化や見直しを余儀なくされています。他方、これまでも、さまざまな科学的研究ないし報告書が、持続可能性の観点から社会変革の必要性を指摘してきました。IPBESが2019年5月に発表した地球規模評価報告書は、今世界が直面する生物多様性危機の克服には「社会変革(transformative change)」が必要だと指摘したほか、2020年9月に愛知目標の最終評価として公表された地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)も、「今まで通り」(business as usual)から脱却する「社会変革」が、2050 ビジョン「自然との共生」達成の条件だとしています。
本シンポジウムでは、私たちの豊かさと生物多様性との実は深い関わりや、生物多様性を守っていくための私たちの行動変容につながるヒントとなる取り組み事例などを、研究者、人気カフェのオーナー兼社会起業家、ユースNGO代表、生き物コレクションアプリを開発した受賞歴多数のスタートアップ企業など、多様な専門家・活動家から紹介いただき、パネルディスカッションも交えて、私たちひとりひとりに何ができるのかを考えます。なお、武内和彦IGES理事長が基調講演を行います。
詳細・申し込みはイベントページをご覧ください。
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES: Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services)について
生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2012年4月に設立された政府間組織。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進めるIPCCの例から、生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあります。IPBESの評価報告書は世界中の科学者・専門家らによって執筆され、その政策決定者向け要約は、加盟国政府により構成される総会による承認後、公表されます。2020年2月現在、137カ国が加盟、事務局はドイツのボン。
IPBES ウェブサイト https://www.ipbes.net/
IGESのIPBESへの貢献について
IGESは2015年以降、日本国環境省の協力のもと、IPBESアジア・オセアニア地域評価の技術支援機関(IPBES-TSU-AP)を設置。2018年に発表された同評価報告書の作成に主要な役割を果たしたほか、2019年2月から「侵略的外来種に関するテーマ別評価」の技術支援機関を担っています。また、生物多様性条約(CBD)事務局が運営する生物多様性日本基金の支援によるアジア・オセアニア地域におけるIPBESに関する能力構築事業の実施やIGES研究員のIPBES報告書執筆への参加などを通して、IPBESの活動に幅広く貢献しています。