1992年の地球サミット(リオデジャネイロ)でのアジェンダ21の採択により世界各国で地球環境問題や持続可能性についての意識が高まる中、日本においても、アジア太平洋地域の地球環境問題の研究を通じた国際貢献を目指し、内閣総理大臣の私的諮問機関により1995年に地球環境戦略研究機関(IGES)の設立構想が提言された。1997年に設立準備機構が発足し、IGESが果たすべき役割を明らかにするために、海外の研究機関、域内の政府機関や国際機関、NGO等にミッションを送り、持続可能性に関する先進的な研究について調査を進めた。
内閣総理大臣の私的諮問機関21世紀地球環境懇話会によるIGES設立構想提案
第5回アジア太平洋環境会議(エコアジア96)が日本政府提案のIGES設立を歓迎
IGES設立準備機構の設置
IGES設立憲章採択会議の開催:アジア太平洋地域の各国政府、国際機関、研究機関が設立憲章に署名
1997年の国連環境開発特別総会(Earth Summit+5)の開催や京都議定書の採択を受け、2000年開催の国連ミレニアム総会でのミレニアム開発目標(MDGs)の合意に向けてアジア各国の持続可能性への関心が高まる中、IGES設立準備機構から引き続き森嶌昭夫理事長の下で、戦略研究を展開するとともに、アジア太平洋地域の研究者や実務者のネットワーク構築支援を様々な形で行った。
IGES第1期戦略研究の開始:神奈川県がホストする日本国の財団法人として3月31日に神奈川県葉山町で発足、4月1日に研究活動開始
開所式、発足記念シンポジウム
国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の成果等の最新情報を国内に提供するポストCOPセミナーの開始及び賛助会員勉強会の開催
「アジアの環境重大ニュース」(日英版)の発行開始:アジア各国の環境問題に関する最新状況を国際的に発信
地球環境変化の人間的側面に関する国際研究計画(IHDP)公開会合を開催
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)インベントリータスクフォース技術支援ユニット(TSU)をIGES内に設置:気候変動対策の技術面での国際貢献活動を開始
北九州市の支援によるIGES北九州事務所の開設:日本の環境技術・制度のアジア都市への普及を目指す
ヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所(ドイツ)との共同事業として第1回日独政策対話の開催(東京):「地球温暖化国内対策の協力に向けた日独政策対話会合」と題し、先駆的取り組みを行う両国企業の対話の場を提供
「IGES 地球環境戦略研究シリーズ」(日)、「IGESブックシリーズ」(英)を出版:日英両言語による研究成果・情報発信の本格開始
持続可能性に関する研究を対象とする英文学術誌「国際環境戦略レビュー(IRES)」を創刊
第4回アジア太平洋環境と開発に関する閣僚会議(MCED2000)が開催。同会議においてIGES が提案し採択された「クリーンな環境のための北九州イニシアティブ」の実施機関となる
第2回日独政策対話の開催(ヴッパータール):「国際気候政策と情報技術セクター」をテーマに、COP6に向けIT企業や研究者の対話の場を提供
日英両言語によるEメールニュース「E-alert」の配信を開始