FAIRDO
第4回FAIRDO車座会議
「除染・復興の推進に向けた伊達市霊山町の課題:どう共有し前へ進むか?」


2014年1月29日、福島県伊達市霊山町の関係者、国、福島県、県内市町村の除染・放射線対策担当者、福島県内で被災者支援などに活動するNPOなどを招いて、「第4回FAIRDO車座会議」を伊達市霊山町で開催しました。本会議では、引き続き、伊達市霊山町において、第3回車座会議で挙げられた課題を掘り下げ、共有しつつ「霊山町の復興とは? 逆境からの新たな地域づくりを考える」ための議論を深めました。

日時
2014年1月29日(水)
会場
福島県伊達市 霊山中央公民館
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)

<会合要旨>

まず初めに、千葉商科大学原科幸彦教授(東京工業大学名誉教授)より、「本会議の位置付け-今後に向けてー」と題した発表が行われ、合意形成の場作り、科学性・民主性・効率性に基づく合理的で公正な意思決定、また、3つのポイント(会議の場の設定、議論の公開、情報提供)から意味ある応答を行っていく必要性、さらに、地域における車座会議や情報プラットフォームの意義・重要性について再度確認されました。この4回の車座会議はそのモデルを示すもので、今後地元での継続的な取り組みを期待するとされました。その後、前半のセッションへと進みました。 前半のセッション「第3回車座会議を振り返る」では、IGES渡部氏より、「第3回車座会議の概要」と題し、伊達市霊山町よりご参加頂いた住民4名の話題(霊山の人が語る原発災害、違いのある人たちが助け合う上での課題と展望)、また、語り口や会話の進み方(配慮と手探り、事実と解釈、話題の選び方)に着目した発表が行われました。

この発表のあと、霊山町における「課題を共有する」と題して議論が行われました。住民が抱える具体的な課題として、子どもの健康・将来に対する不安、放射線量のより高い地域に住む人々への配慮・気配り、食の安全・安心(例:切干大根)、特定避難勧奨地点による地域コミュニティの崩壊、未だ放射線量の高いところに対する除染、放射線量の高いところでの生活再建・適応、住民の不安・不信に向き合う行政と専門家の役割など、が挙げられました。また、除染の実施と科学的な安全実証、復興・市民的な合意形成に向けた地元専門家集団の形成・活用、住民と行政の協働体制などの必要性が示されました。

後半のセッション「地域に根差した復興:霊山町の地域づくりを考える」では、小国地区復興プラン提案委員会事務局長菅野氏より、「小国地区の復興と発展に向けて」と題した発表が行われ、小国地区の現状を踏まえ復興・発展するために、小国地区民が将来に向けてどのような暮らし方・基盤づくりをするべきか、そのために何を必要とし、どのように行動するかなど、実現可能な具体策を探る新たな組織の必要性から小国地区復興プラン提案委員会が発足された経緯、3つの分科会(農業振興分科会、福祉健康分科会、生活環境分科会)から成る組織構成、各分科会が取り扱う主な課題や取り組むべき事業、さらに、行政等へのプラン掲示・要望や小国地区民への協働活動等の掲示を通じた復興プラン内外への提案の有り方についてご紹介頂きました。今後の課題として、構成メンバー・人集め(特に、女性・若者のより積極的な参加・関与)、集まることのメリット、会議の時間帯・場所等に関するさらなる検討の必要性が指摘されました。

また、東京工業大学村山武彦教授より、除染・復興・生活再建等に関わる具体的な取り組み・情報・仕組み等を双方向に情報共有する「情報プラットフォームのイメージ」と題した発表が行われ、ウェブページ上に整理された、放射線量・健康影響・復興関連など様々な情報を通じ、具体的な情報プラットフォームのたたき台が共有されました。また、情報プラットフォームの役割・運営に関する課題として、情報の更新・中立性・信頼性、異なる立場(第三者)の立場から見た情報整理の必要性、利用者の意見の反映性が指摘されました。さらに、インターネットをよく使う人向け(例:若者)の情報通信技術(ICT)とインターネットをあまり使わない人向けの紙媒体等の活用といった階層的アプローチ、情報の違いを説明・繋ぐ人、情報を整理する場・議論の場の必要性が示されました。

最後に、福島大学鈴木浩名誉教授より、「これまでの車座会議を振り返って」と題した総括が行われ、自治体(地域コミュニティ)ベースの車座会議の必要性、地域社会と地方自治体の合意形成の場、車座会議における専門家・大学などの役割(被災地・被災者や自治体から求められる専門的アドバイス等に適切に対応できること)、また、国・県・関連機関の役割(制度や国家レベルの統計・調査データの把握と発信、国家的基準と地域特性の整合性の追求)について指摘された。さらに、今後に向けた取り組みとして、各地での、このような車座会議の発展的な継続、被災地・被災者や自治体のための情報プラットフォームによる後押しについて提言されました。


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当日発表資料
テーマ「除染・復興の推進に向けた伊達市霊山町の課題:どう共有し前へ進むか?」
「合意形成の場と運営方法 ‐理論と実践‐」
千葉商科大学・東工大名誉教授 原科幸彦
PDF (1.1MB)
「第3回「車座」を振り返って」
IGES研究員 渡部厚志
PDF (288KB)
「小国地区の復興と発展に向けて」
小国地区復興プラン提案委員会事務局長 菅野 公
PDF (278KB)
「除染・復興の推進に向けた伊達市霊山町の課題 -どう共有し前に進むか-」
福島大学名誉教授 鈴木浩
PDF (240KB)

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