FAIRDO
第1回FAIRDO車座会議
「福島の復興に向けた合意形成の基盤作りについて」

福島県や県内市町村の除染・放射線対策担当者や福島県内で被災者支援などに活動するNPOなどを招いて「第1回FAIRDO車座会議」を福島大学で開催しました。会議では、被災地の除染や復興、避難生活などに関わるコミュニケーションを改善し、国、県、市町村と地域住民との協力を促進する可能性が話し合われました。また、欧州からも放射線防護や原子力災害に関する専門家が参加し、国内の参加者との間で、行政・専門家・市民のコミュニケーションについての経験や考え方を共有しました。

午前中に開かれた第1セッションでは、「復興と除染の取り組みから見えてきた課題」と題して、除染や復興、避難生活の原状と課題を中心に議論しました。福島第一原発事故から2年以上が経過し、除染事業で放射性物質を完全に取り除き、避難者全員が帰還できる状態にすることは難しいことが明らかになってきました。そこで、復興や生活再建の多様な道筋について地域住民の参加のもとで話し合い、決定していくことが必要であるという点に、多くの参加者が同意しました。

午後の二つのセッションでは、おもに情報共有・コミュニケーションの改善に焦点を当てた議論が行われました。まず、第2セッション「福島における除染・復興を推進するための条件-情報基盤づくりを中心として-」では、被災者の生活や被災地復興に関する様々な情報を、被災地の復興への取り組みや、被災者の生活支援に活用できる形で共有する方法を議論しました。放射線や被災者支援、復興計画に関する膨大な情報の中から、被災者、企業や行政が必要な情報にアクセスし活用することは容易ではありません。また、避難生活者と避難していない被災者、全村・全町避難した自治体とそうでない自治体などによって必要とする情報は異なります。さらに、汚染された地域で生活する住民が自ら蓄積した知識・情報も多く、これらが行政の活動や他地域の生活再建に活用できる可能性もあります。そこで、科学者・専門家には、被災者や行政などの情報ニーズを細かく把握し、それぞれが行動に活かすことができる分かりやすい形で情報を共有できるよう支援する役割が期待されます。

第3セッション「福島における除染・復興を推進するための条件整備に向けて」においては、第2セッションで話し合われた情報共有を改善するために「情報プラットフォーム」を構築する可能性が議論されました。「プラットフォーム」を実現する場合には、多様でかつ日々変化している情報ニーズに配慮すべきであること、情報を利用可能な形に変更・整理する分析センターや復興プラットフォーム(復興センター)の提案ならびにそれらに関する大学の役割などが話し合われました。また、除染だけでなく放射線防護・復興・生活再建など様々な課題に関する情報の提供元として、除染情報プラザを位置づけ直す可能性も議論されました。さらに、事故後の初動期(緊急対応時)等における行政や被災者の行動や経験を散逸させないよう収集する必要性や、経験を今後の教訓として発信する「記憶のミュージアム」の是非についても話し合われました。

日時
2013年7月26日(金)
会場
福島大学共生システム理工学類後援募金記念棟
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
後援
福島大学

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当日発表資料
テーマ 1.「復興と除染の取り組みから見えてきた課題」
「除染」の取り組みから見えてきた課題-安全・安心、暮らしとコミュニティの再生を目指して-」
渡部厚志 IGES研究員 
PDF (939KB)
「地域の人々とコミュニティが主導するボトムアップ型の災害復興:チェルノブイリ事故後のベラルーシにおけるETHOS・COREプロジェクトからの教訓」
ジル・エリアールデュブルイユ フランスMUTADIS所長 
PDF (439KB/English)
テーマ 2. 「福島における除染・復興を推進するための条件-情報基盤づくりを中心として-」
「復興・賠償・除染・放射線等に関する情報提供元の整理」
鈴木浩 福島大学名誉教授 / 村山武彦 東京工業大学教授
PDF (706KB)
「チェルノブイル原発事故後の復興への努力;情報共有と地域合意の役割」
ヴィクトール・アヴェリン ベラルーシ放射線学研究所所長
PDF (6.4MB/English)
「食と農の再生にむけた相互連動的な放射能対策~放射能分布マップ・水稲試験栽培・全袋検査の統合~」
石井英樹 福島大学特任准教授
テーマ 3. 「福島における除染・復興を推進するための条件整備に向けて」

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