隔月刊 地球温暖化所収
中国の再エネ戦略における第1の課題は、再エネ資源の地域間不均衡である。太陽光と風力エネルギーの開発資源が最も集中している地域は西北地域(内モンゴル自治区や甘粛省、新疆ウイグル自治区など)で、電力需要が多い沿岸部地域との距離は800-3000キロメートルも離れている。第2の課題は、送電網整備の遅れによる再エネ発電量のロス問題(発電ロス)がある。例えば、発電ロス問題が最も深刻だった2016年には、年間風力発電量2410億kWhの21%に相当する497億kWhの発電ロスが発生した。最も深刻な地域は甘粛省であり、同地域全体で風力発電量の33%のロスが発生した。