2021年11月に開催された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第26回締約国会議(COP26)において、パリ協定の世界全体の進捗状況を評価する仕組みであるグローバル・ストックテイク(Global Stocktake:GST)が開始した。これを受けて2022年3月以降、UNFCCC事務局は4つの統合報告書を順次公開する。これら統合報告書は、国連気候変動政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書等の様々な情報源と共に、GSTの技術的評価に必要な情報を提供する。 本稿では4つの統合報告書のうち、『GHG排出・吸収量の状況と緩和努力に関する統合報告書』(UNFCCC, 2022)のポイントを分かりやすく解説する。同報告書は締約国が提出した以下の情報を統合した結果を示している。 ・先進国全43か国...
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