明日の食品産業所収
雪氷の融解、海面水位の上昇などに加えて、近年、日本各地での集中豪雨、北米太平洋岸や中東、欧州における最高気温50℃近い熱波といった極端な気象現象が頻発し、気候変動に関する危機感が広く共有されている。 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)は、中立的な立場で気候変動に関する科学的知見を提供し、国際プロセスないし各国での有効な政策立案につなげてきた。中でも2018年に発表された「1.5℃特別報告書」は、気温上昇幅により、熱波や干ばつの頻度や被害者数、生物多様性への影響などに大きな違いが生じることを示した。気温上昇1.5℃の場合、世界で3200万から3600万人が食料不足の影響を受けるのに対し、2℃に達すると...