UNFCCC COP29 特集

11月11日~22日、アゼルバイジャンのバクーで国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第29回締約国会議(COP29)が開催されます。COPはUNFCCCの最高意思決定機関であり、京都議定書やパリ協定の他、これまでの合意事項についての実施状況の確認や、新たな目標や取り組みが議論されます。COP29では、新たな気候資金目標の策定、各国の国が決定する貢献(NDC)の引き上げなどが議論されるほか、年末が提出期限となっている隔年透明性報告書がはじめて提出されることになっています。

特にNDCは昨年のグローバル・ストックテイク(GST)の結果をどのように反映させていくのかが注目されます。その一環として、アラブ首長国連邦(UAE)、アゼルバイジャン、ブラジルの3カ国によるプレジデンシー・トロイカが「ミッション1.5°Cロードマップ」を立ち上げました。トロイカとは、COP28、COP29、そして次回のCOP30の議長国が連携して会議を運営する協力体制で、「ミッション1.5℃ロードマップ」は、産業革命前に比べ地球の平均気温の上昇を1.5℃以内に抑えるため、NDCの引き上げに向けたさまざま国際協力を束ね、強化していくことを目指しています。

また、COP29の議長を務める予定であるアゼルバイジャンのエコロジー・天然資源大臣、ムフタル・ババエフ氏は、「In Solidarity for a Green World(緑の世界への連帯)」というテーマを掲げ、野心的な気候アクションと具体的な行動を促進することを目指しています。COP29では、このテーマに基づき、NDCの策定を阻む障害や公正な移行のための国際支援が議論されます。

本特設ページでは、COP29の注目ポイントの解説や、IGESが関与するサイドイベント情報などを通じて、気候変動交渉の最新動向を紹介していきます。

 

最新情報

ENB交渉サマリー翻訳
2024年11月21日分を掲載

ENB交渉サマリー翻訳
2024年11月20日分を掲載

 

研究者の視点

Takeshi Enoki
IPCCインベントリータスクフォース技術支援ユニット TSUシニアアドバイザー

IPCCインベントリソフトウェアについて

パリ協定の締約国は、2024年以降、気候変動対策に関する透明性を確保するため、隔年透明性報告書(BTR)を2年毎に提出する必要があります。この報告書には、それぞれの国の温室効果ガス(GHG)の排出・吸収量を取りまとめたGHGインベントリに加え、いわゆる排出削減目標である「国が決定する貢献(NDC)」の達成に向けた進捗状況や、資金の提供・受領・ニーズ、気候変動の適応策など、気候変動に関連する最新の情報が含まれます。

自国のGHGインベントリを定期的に作成することは、適切な排出削減策の策定や進捗確認などのために重要ですが、多くの途上国では、技術的なキャパシティの問題や資金不足などのため、定期的にGHGインベントリを作成することができていない現状が続いています。GHGインベントリでは、その国から人為的に発生するすべてのGHG排出・吸収量を算定する必要があり、膨大なデータを必要とします。また、各国は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した算定ガイドラインに従ってGHG排出・吸収量を算定する必要がありますが、この IPCC ガイドラインには、すべての排出・吸収源区分について、データの細かさに応じて複数の算定方法を示しています。各国は、各排出・吸収源における国内の実態やデータの利用可能性、科学的知見などを考慮に入れたうえで、適切な算定方法を決定し、GHG排出・吸収量の算定することとなっています。

1990年代から毎年インベントリを作成している先進国は、自国のGHG排出・吸収量を主にエクセルのような表計算ソフトまたは自国で開発したソフトウェアを用いて算定していますが、多くの途上国では、膨大なデータベースを整備し、それを表計算ソフトで算定したり、ソフトウェアを開発したりすることはできません。そこで、IPCCでは、GHG排出・吸収量を算定できるようなインベントリソフトウェアを開発しました。このソフトウェアは2012年から提供されていましたが、当時はIPCCガイドラインに示された最も簡易な算定方法のみに対応していたため、ソフトウェアはあまり多くの国には利用されていませんでした。2020年頃から多数のアップグレードを行い、2024年6月には、IPCCガイドラインに示される算定方法すべてに対応できるソフトウェアとなりました。

パリ協定の締約国は、UNFCCC事務局が開発した報告用ツールにGHGインベントリやNDCなどの詳細かつ大量のデータを入力してBTRを提出することになっていますが、IPCCのインベントリソフトウェアはUNFCCCのツールと互換性を有しており、データ移行を簡単に行うことができます。IPCCインベントリソフトウェアは、IPCCガイドラインに示された方法論に従って正確にGHG排出・吸収量を算定するだけでなく、自動的にすべてのデータをUNFCCCツールに移行できることから、BTRの作成・報告における手間が省けるといった利点があります。本ソフトウェアが途上国におけるGHGインベントリ作成の継続性の向上や効率化につながると期待しています。

 

隔年透明性報告書(BTR)の重要性: 国が決定する貢献(NDC)の実施を追跡

強化された透明性枠組(ETF)は、パリ協定第13条のもとに設立され、すべての締約国に対して、国が決定する貢献(NDC)の実施・達成に向けた気候変動対策・支援について報告することを求めています。つまり、ETFは各国がNDCで約束したことに対して責任を果たすための重要な仕組みであり、締約国間の相互信頼と説明責任の基盤となっているのです。

ETFの下では、各国は2年ごとに隔年透明性報告書(BTR)を提出する義務があり、その報告要素は以下の内容で構成されています。

  • 国家温室効果ガスインベントリ報告書(すべての締約国が報告義務あり)
  • NDCの実施・達成の進捗に関する情報(すべての締約国が報告義務あり)
  • 気候変動インパクト及び適応に関する情報(すべての締約国が報告推奨)
  • 先進国によって提供・動員された資⾦、技術開発・移転、能⼒構築⽀援に関する情報(先進国締約国が報告義務あり)
  • 途上国によって必要・受託された資⾦、技術開発・移転、能⼒構築⽀援に関する情報(途上国締約国が報告推奨)

BTRは、各国が公約した排出削減目標に向けた気候対策・支援の実施状況を共通報告ガイドライン (MPGs) に沿って報告するため、パリ協定のもとで提出される重要な国家レベルの気候報告書です。また、BTRは、各国が既存の気候対策をモニターリング、改善し、NDCを実施するために必要な追加対策や支援を特定する基盤にもなります。

最初のBTRの提出期限は、遅くとも2024年12月31日です。そのため、本年およびCOP29はBTRの提出と気候コミットメントの再確認において重要な機会となります。COP29の議長国は、各国間の信頼感を醸成して相互信頼を築き、途上国のBTR準備の支援1、ETFへの普遍的な参加の促進、さらにCOP29以降も透明性アジェンダを推進するために「バクー世界気候透明性プラットフォーム(BTP)」を立ち上げました。議長国が強調したように、各国はCOP29で最初のBTRを提出し、公約した目標、進捗状況、そして課題をもって気候目標達成へのコミットメントを再確認することになります。

1: Murun, T., Umemiya, C., Morimoto, T., Hattori, T. (2023). Practical Solutions for Addressing Challenges in National Reporting for the Enhanced Transparency Framework: Cases from Developing Countries in the Asia–Pacific Region. Sustainability, 15 (20). 
https://doi.org/10.3390/su152014771

 

強化された透明性枠組みは、情報の“報告”から“活用”へ

COP29の直後、年末が締切りの第一回隔年透明性報告書(BTR)の提出を皮切りに、いよいよパリ協定の「強化された透明性枠組み」の実施が始まります。私は、国際協力の現場で多くの途上国の透明性担当者らと関わっていますが、「第一回BTRは、期限内に提出するつもりだ」と話す担当者が多く、強い意欲を感じます。

パリ協定で定められたBTRを、期限内に提出することは当たり前ではないか、と思われる方もいるかも知れません。ですが1992年に気候変動枠組条約が設立して以降、この30年余りの途上国の経験を踏まえると当たり前とは言えません。BTRとは、2年に一度、各国がNDC実施の進捗を世界共通のルールに基づき取りまとめる報告書です。例えば、国の一年間の温室効果ガス排出・吸収量をまとめたインベントリなどが含まれます。途上国は、パリ協定以前からインベントリの報告を求められてきました。しかし、実際のところ、多くの途上国がキャパシティ1の問題や資金不足で、インベントリを国際的に求められた頻度・質では報告できませんでした。例えば、ある国のインベントリがようやく報告されたと思ったら、それは10年も昔のデータで、とても適切な対策を打つための情報として使えません。BTRは、これを2年に一度、報告年から遡って2年前までの直近の温室効果ガス排出量を算定することを求めています。

では、パリ協定が始まりBTRに変わったからといって、すぐにすべての途上国が2年に一度、一定の質を担保して報告できるようになるかというともちろんそうではありません。世界全体で見ると、キャパシティの向上が著しい国もあれば、キャパシティの構築に引き続き時間を要する国もあります。私たちIGESでの研究では、154カ国ある途上国のうち、約半数が国際的な報告に要するキャパシティのレベルにはまだ達していません2。ただ、パリ協定の透明性枠組にはいくつかの工夫が盛り込まれています。例えば、“柔軟性”という考え方に基づき、キャパシティに課題がある途上国は、一部の報告事項を省略できます。その代わりになぜ算定・報告ができないかを説明し、国際的な支援につなげる考えです。異なる国情に配慮し、幅広い参画を確保しようとするパリ協定らしい仕掛けです。

もう一つ、パリ協定以前と現在で違うと感じるのが、気候変動問題に対する社会全体の関心の高まりです。気候変動に関する国の様々な情報を収めたBTRに関心を持つのは、今や政府関係者だけではありません。例えば、企業も関与するカーボンクレジットの国際移転に際しては、パリ協定では相当調整と呼ばれる、国外に出たクレジット分の削減量を国の温室効果ガスインベントリに加算する調整を行わなければなりません。BTRは、この相当調整の基盤です。また、企業が自主的な目標達成に向けてサプライチェーン上の排出量を可視化しようとする際、排出量や排出係数を収めた取引先国のBTRは有用な情報源となります。さらに、国連に提出されたBTRは、国際的な専門家チームによりレビューされるため、情報の質も確認できます。

このようにBTRの情報が、当該国の関係者以外に広く活用されるという環境は、今後途上国の担当者の大きなインセンティブとなります。COP29では、ぜひ第1回BTRに注目いただき、COP29の後も有用な情報源として多くの方に活用いただきたいと思います。

1: 国の政策実施能力のこと。気候変動枠組み条約では、社会システム、組織、個人の3つのレベルで議論されることが多い。 
2: 参考文献:Chisa Umemiya & Molly K. White (2023): National GHG inventory capacity in developing countries – a global assessment of progress, Climate Policy, DOI: 10.1080/14693062.2023.2167802
https://doi.org/10.1080/14693062.2023.2167802

COP29 直前ウェビナーシリーズ

過去のイベント
COP29直前ウェビナーシリーズ 第1回

「ポスト2025年の新たな気候資金目標に合意できるか」

今年のCOP29において最も注目されている交渉議題のひとつが、2025年以降の世界全体の新しい資金目標を決定する「気候資金の新規合同数値目標」(New Collective Quantified Goal on Climate Finance: NCQG)です。この3年間、政府による交渉やハイレベル対話、ステークホルダーを交えた専門家対話を組み合わせた断続的な議論を経て、いよいよ、アゼルバイジャンで最終決定を目指します。資金は途上国がパリ協定を実施する手段として...
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COP29直前ウェビナーシリーズ 第2回

「パリ協定6条実施に向けた取り組みと炭素市場の今」

パリ協定6条では気候変動の原因となる温室効果ガスの排出を削減(緩和)する取り組みと適応への対策について、国際的な協力を通じて具体的な行動を促進するアプローチが規定されています。特に温室効果ガスの排出削減量を「炭素クレジット」として国際的に移転し、各国のNDC達成や更なる目標の向上、その他、国際航空の分野における目標の達成などに活用する場合は6条のルールに沿って、関係する政府の承認や国連への報告、記録システムの構築などが必要となります。また...
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COP29直前ウェビナーシリーズ 第3回

「強化された透明性枠組(ETF)と隔年透明性報告書(BTR)解説」

パリ協定には、年月とともに段階的に向上する各国の危機感と野心、技術の発展を加味し、新しい約束(プレッジ)が従来のプレッジを超えていく仕組み、「ラチェット・メカニズム」が組み込まれています。ラチェット・メカニズムの構成要素は3つあります。5年ごとに策定・提出する国が決定する貢献(NDC)(第4条)、各国の行動や支援の透明性を高めていくことにより、お互いの進捗状況をチェックしあうことを可能とする「強化された透明性枠組み」(Enhanced Transparency Framework: ETF...
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COP29直前ウェビナーシリーズ 第4回

「適応・損失と損害 COP29でのポイント」

適応(Adaptation)および損失と損害(Loss and Damage)は、温室効果ガスの排出削減を目指す緩和と対照的に、すでに顕在化し、今後さらに深刻化していく気候変動の影響への対応を進めるものです。昨年のCOP28では、パリ協定の規定する適応に関する世界目標の達成に向けた取り組みをガイドし、またその進捗を評価するための、UAEフレームワークが決定されました。今回2024年のCOP29では、フレームワークが示す各目標に付随する、指標に関する議論が中心になる見込みでした。また...
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COP29直前ウェビナーシリーズ 第5回

「進捗評価から目標設定へ:グローバルストックテイク(GST)の成果を踏まえた国が決定する貢献(NDC)策定への期待-米国大統領選挙の結果を踏まえて」

パリ協定には、年月とともに段階的に向上する各国の危機感と野心、技術の発展を加味し、新しい約束(プレッジ)が従来のプレッジを超えていく仕組み、「ラチェット・メカニズム」が組み込まれています。ラチェット・メカニズムの構成要素は3つあります。5年ごとに策定・提出する国が決定する貢献(NDC)(第4条)、各国の行動や支援の透明性を高めていくことにより、お互いの進捗状況をチェックしあうことを可能とする「強化された透明性枠組み」(Enhanced Transparency Framework: ETF...
今後のイベント
気候変動ウェビナーシリーズ

COP29速報セミナー

「COP速報セミナー」は、数多いIGESのウェビナーの中でも毎年人気ナンバー1を誇ります。今年も、11月11日から22日にアゼルバイジャン・バクーで開催される国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)について、どこよりも早い結果速報をお届けします。COP29の総評に加え、今年最も注目が集まった「新たな資金目標」、「強化された透明性枠組(ETF)と隔年透明性報告書(BTR)」、「パリ協定6条」、「適応・損失と損害」、「グローバルストックテイクと国が決定する貢献(NDC)...

サイドイベント情報

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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

循環経済資源効率原則(CEREP)とグローバル循環プロトコル(GCP)を通じたグローバルスタンダード形成

COP28での第1回グローバル・ストックテイクの成果により、循環経済アプローチは気候変動対策に不可欠なツールと見做されています。また、グローバルな資源循環の推進と、これを通じた野心的な気候・環境目標及びその他の環境目標達成における企業の役割の重要性についても認識が拡大しています。2023年、G7各国首脳は、企業の循環経済への取組みを促し、政府や金融セクターとの関与・連携を促進することを目指して、CEREPを承認しました。 他方、サステイナビリティ分野への投資促進のため...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

マルチレベル気候行動を通じた循環共生型社会の実現に向けた取組

2023年に開催されたCOP28では、主催国であるアラブ首長国連邦(UAE)によって“CHAMP”イニシアティブが発表され、日本を含む70以上の国がNDCなど、気候変動や持続可能な発展に係る課題に対応するための戦略策定・資金調達・実施・モニタリングにおいて自治体との協力を強化することを宣言しました。 持続可能な発展に向けた課題に対する国と自治体の連携の重要性や必要性が強調されている動きは、G7やG20などの場でも見られ、広がりを見せている中で、日本では...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

「気候変動に強靭な開発」に向けた適応策の推進

パリ協定の下で平均気温上昇を1.5℃以内に抑えるための対策を進めていますが、気候変動の影響が一層顕著になる中、資金や対策の不足が続いています。 特に影響を受けやすい途上国においては、適応策のニーズと適応策への資金フローとの間には大きなギャップがあり、事前投資、気候変動対策と持続可能な開発を両立させる「気候変動に強靭な開発」を進めることにより影響を縮小することが必要です。また、パリ協定の実施、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた相互の連携強化が不可欠であり、気候変動、生物多様性...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラムセミナー ~気候変動、汚染、生物多様性の損失を含む都市課題の解決に向けて~

パリ協定で定める1.5度目標の達成に向けては、世界の温室効果ガス排出量及びエネルギー消費量の約7割を占める都市の脱炭素移行が不可欠であり、国際的に都市の取り組みを支援する動きが強化されている。 日本国環境省では世界の都市が直面する今日的課題に多角的に対処するため、2023年2月、JICA とともに、クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラム(C2P2)を立ち上げた。本プログラムは、日本の自治体、民間企業、金融機関等の参画を得て、国際開発金融機関(MDBs)等とも連携しながら...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

気候変動の時代における新たな感染脅威と革新的な国際協力

デング熱は世界保健機関(WHO)が2019年に世界の健康に対する10大脅威の1つにあげた感染症である。しかし、これまで有効な治療薬がない中、現在では世界人口の約半数がデング熱の危険にさらされており、毎年1億~4億人が感染していると推定されている。 WHOによると流行国は1970年以前、東南アジア中心の9カ国であったが、現在は中南米やアフリカ大陸の広範囲にまたがる100カ国以上に拡大しているとされる。拡大理由の1つとして気候変動の影響が挙げられている。 本セミナーでは...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

アジア太平洋地域における早期警戒システム(EWS)の更なる推進と新たな連携の可能性

気候変動に伴うロス&ダメージに対する注目が国際的に高まる中、日本政府は一昨年のCOP27にて「日本政府の気候変動の悪影響に伴うロス&ダメージ支援パッケージ」を公表した。そのパッケージの一つとして、環境省は早期警戒システム(EWS)のアジア太平洋諸国への導入に積極的に取り組んでいる。環境省と有志の日本民間企業等で構成されるEWS協議会では、アジア太平洋地域で生じている気候変動諸課題への対応を進めており、本セミナーにてその進捗や成果について紹介する。 また本セミナーでは...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

ネット・ゼロとNDC-アジアにおける科学に基づく気候政策立案とその実施

パリ協定は、全ての締約国に対して、低排出型の発展のための長期戦略を策定し通報するよう努力すべきとしています。また、昨年のCOP28でのグローバル・ストックテイクの成果文書は、GHGの大幅で速やか、且つ持続的な削減が必要であるとし、全ての締約国に対して、世界全体の努力への貢献を求めると共に、次期NDCを1.5℃目標と整合するよう奨励しています。こうした中、日本は各国と協働し、政策オプションを評価して削減シナリオを提示する「アジア太平洋統合モデル」(AIM)を活用し...
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COP29 Japan Pavilion サイドイベント

建築物の脱炭素化に向けた日本の取組と貢献

世界のCO 2の約37%、最終エネルギー需要の34%以上が建築物・建築分野のものであり、同分野の脱炭素化が国際的な目標の達成の鍵となっている。2023年以降建築物の脱炭素化に向けた国際的な動きが加速している。2023年のG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合及びG7香川・高松都市大臣会合の成果文書において、建築物及び建築物のライフサイクルの脱炭素化の重要性が盛り込まれ、同年のCOP28では、建築物・建築部門の変革のためのプラットフォームである「Building Breakthrough...
過去のイベント
COP29 Japan Pavilion サイドイベント

「国連環境総会(UNEA)シナジー決議」をCOP29で進展させる

昨年のG7広島サミットで、leveraging synergiesにコミットしたことを受けて、本年3月のUNEA6でシナジー決議が採択され、4月のG7トリノ気候・エネルギー・環境大臣会合のコミュニケに記載、5月のOECD閣僚声明で言及されました。 UNEA決議で規定された、加盟国が環境条約の義務の履行の際にシナジーを拡大すること、シナジーの理解を深めるために優良事例を収集・共有するために、今年7月のHLPFではUN-DESAと共催でランチレセプションを開催し、シナジー事例を共有しました。...

関連プロジェクト

プロジェクト
Updated: 2024年10月

UNFCCC COP 特集

国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)と、その補助期間会合(SB)に関する情報のまとめページです。毎年開催されるCOPについて、IGESからの提言、IGESオリジナルの解説記事、交渉の様子や現地で行われるイベント情報、重要レポートや決議文書の翻訳・解説などをお届けします。 2011年のCOP17以降の記事をご覧いただけます。
プロジェクト
Updated: 2024年11月

IGES Support activity for Enhanced Transparency Framework (ETF)

Based on the Paris Agreement’s enhanced transparency framework (ETF), countries regularly provide information on their progress with national climate actions. IGES supports full implementation of the ETF by all countries, especially in Asia. This web
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Updated: 2023年11月

グローバル・ストックテイク(GST)

2021年11月に英国・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、ついにパリ協定のルールブックが完成しました。「行動」の段階に入った2022年以降、各国は合意されたルールに則り、パリ協定の目標達成に向けてさらに野心的な行動を取ることが求められます。そこで注目されるのが、この目標の世界全体の進捗状況を評価する仕組み、「グローバル・ストックテイク(Global Stocktake: GST)」です。2021年11月から2023年11月にかけて実施される第1回GST
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Updated: 2023年12月

IGESと国際交渉:1.5℃目標への貢献

IGESは、UNFCCC COPを含む国際交渉の中で取り上げられる主要議題について動向・政策分析を行い、政策担当者、NGOそして民間部門等に向けて提言を発信しています。また、2015年のパリ協定採択以降は、6条実施や透明性強化に向けた能力構築プログラムの提供、UNFCCCへの意見提出、グローバル・ストックテイクの技術的対話における議事進行など、パリ協定の実施に向けた積極的な活動を展開しています。本特集ページでは、2023年11月30日から12月12日にかけて、ドバイ、アラブ首長国連邦(UAE)で
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Updated: 2022年7月

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)特集

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に関する情報をまとめた特集ページです。IGESはIPCCのインベントリタスクフォースを技術的に支援している他、複数の研究者が報告書の執筆にも関わっています。このページではそうして得られた知見をもとに、各報告書のサマリーの翻訳や、関連資料、解説記事や執筆者インタビューなどを発信していきます。

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ブリーフィングノート
気候変動は農業に直接的な影響を及ぼしており、気温の上昇や降雨量の変化、異常気象などは農作物の収穫量減少の要因となる。こうした問題の最前線に立つのは、生産者である発展途上国の小規模農家であり、増大する気候変動の影響に直面している。生産から消費までを一つのサイクルとする食料システムはその一部を切り取ることはできず、世界全体で気候変動に強靭で持続可能な食料システムを構築することが喫緊の課題となっている。 気候変動に強靭な農業を実践し、食料の安定保障を確保するためにどうすればいいのか。小規模農家を中心に最も気候変動の影響に脆弱な生産者に対して、国際社会は何ができるのか。本ブリーフィングノートでは、2022年から2024年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で決定した...
 
ポリシーレポート

本稿では、途上国における気候変動適応の主な障害が「不十分な適応資金」であるとする支配的な見解を批判的に再評価します。この見解の形成に重要な役割を果たしてきたUNEPの2023年適応ギャップ報告書(AGR2023)を包括的に検証し、適応資金ギャップの推定における深刻な方法論的課題を明らかにします。これらの課題は、UNFCCCの適応枠組みに根ざす深い構造的問題に関連しています。その中でも特に、適応活動の明確な境界の欠如と、人為起源の気候変動(HI-CC)と自然の気候変動(N-CC)に関連するコストが混同されている点が重要です。この混同により、各国の適応計画(NAP)とUNFCCCの中核的な使命との間に不整合が生じ、適応資金ニーズの評価が一層複雑化しています。

 
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「気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ」(10 New Insights in Climate Science)は、Future Earth、The Earth League、World Climate Research Programme (世界気候研究計画)が共同で2017年から毎年、制作しています。本レポートは、 最新の気候変動に関する研究論文から得られた 10 の重要な科学的知見と共に政策提言をまとめた政策報告書です。この政策報告書は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議(COP)にあわせて毎年発表されます。

Insight 9: Closing governance gaps in the energy transition minerals global value chain is crucial for a just and equitable energy transition の執筆に、IGES気候変動とエネルギー領域副ディレクター ナンダ・クマール ジャナルダナンが参加しています。

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