OP19 LoCARNetイベント 

2℃安定化に向けたアジアのGHG削減は
どこまで可能か

全球的な気候の安定のために、今後途上国からのGHG排出の増加への対処が重要であるが、とりわけ成長センターとしてのアジアでの対処が不可欠です。本サイドイベントは、本年7月に横浜・みなとみらいで行われたLoCARNet第2回年次会合での議論をベースに、アジアの研究者によるAIMモデルを使った分析の結果や各国における削減目標の評価、削減を実施していくために必要な施策についての報告など、アジアでの取組みを紹介し、また、2℃安定化に向けたアジアのGHG削減はどこまで可能か、全球的な議論を喚起することを目的としました。

日時 2013年11月15日(金) 16:30-18:00
場所 ジャパンパビリオン (ポーランド ワルシャワ)
主催・共催 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
独立行政法人国立環境研究所(NIES)
関連資料 発表資料 (LoCARNetウェブサイト)
関連リンク イベント報告(英語) (LoCARNetウェブサイト)
アジェンダ(講演者名を含む)
開会挨拶
川又 孝太郎, 環境省地球環境局国際協力室長 
「低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)の紹介」
西岡秀三, LoCARNet事務局長
「アジアの低炭素将来:アジアはリープフロッグ(蛙飛び)で世界を変えられるか?」
甲斐沼美紀子, NIES フェロー 
「2℃目標の達成に向けて:中国の挑戦」
ジャン・ケジュン, 中国発展改革委員会能源研究所 主任研究員 
「全球的な2℃安定化目標に向けた削減ポテンシャル:インドの挑戦」
P. R. シュクラ インド経営大学院大学 教授 
「2020年及び2030年の発展途上マレーシアの低炭素社会(LCS)ビジョン」
Ho Chin Siong マレーシア工科大学 教授
質疑応答
閉会

発表・議事の概要
  • 冒頭、環境省川又孝太郎環境協力室長は、アジア地域は経済成長により発展を続けており、将来を正しく見据えた低炭素社会づくりを進めることで、アジアは世界をリードする地域になれるとの強い期待を示した。
  • LoCARNet西岡秀三事務局長は、全球的なCO2排出量が今後も大きく増えていく見込みであること、また、その中でも発展途上国、特にアジアからのCO2排出量が2050年には全球的なそれのおよそ半分を占めることの重要性に触れ、このまま2℃目標を掲げ続けるためにはアジアが早急に対応する必要があることを指摘した。その上で、LoCARNetの活動として、アジアの複数の国においてその国の研究者や研究コミュニティの能力構築支援を行っていること、こうした研究者とともに当該国の低炭素発展計画や低炭素発展戦略の作成を行っていること、年次会合やその他の機会に域内の情報交換、知識共有を進めてきていることを紹介した。

  • 国立環境研究所の甲斐沼美紀子フェローは、できるだけ早期に対策に着手していく必要があること、さらに、アジアにおける蛙飛び発展が低炭素社会の実現につながっていくとし、アジアには挑戦を好機に変えていく可能性があり、2℃目標は達成可能であるとの強いメッセージを示した。

  • 中国発展改革委員会能源研究所のジャン・ケジュン主任研究員は、2℃目標に向けて、中国では、経済構造最適化政策をとること、エネルギー効率を高めること、再生可能エネルギーや原子力発電を促進すること、CO2の回収・貯留 (carbon dioxide capture and storage, CCS)の導入を進めていくこと、また、低炭素消費やライフスタイルの変化を促していくことなどが鍵となるとの見解を示した。また、中国で低炭素社会を実現するためには、技術の進歩が重要な鍵となると述べた。

  • インド経営大学院大学のP. R. シュクラ教授は、2℃安定化に向けては需要側においても供給側においても抜本的な変化とチャレンジが必要であること、対策をとることにより短期的にはコストがかかるが、CO2削減と持続可能な開発を同時に追求できる政策をとることで、追加的なコストをオフセットするような重要なコベネフットをもたらすことができるとした。

  • マレーシア工科大学のHo Chin Siong 教授は、マレーシアにおける40パーセント減の排出削減を達成するためにエネルギー分野において集中的な対策が取られる必要があるとした。また、マレーシアにおいて潜在的なインパクトに対するレジリエンスを高めていくために適応策にも焦点を当てていくべきとの見解が示された。

  • 最後に、全球的な2℃目標の達成に向けてアジアの果たす役割が重要であることが再確認され、LoCARNetにおいてこうした活動を続けていくことの意義が強調された。
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