IGES研究員にききました
    第5回 2014年11月
  • 浅川 賢司

    浅川 賢司

    IGES気候変動とエネルギー領域 主任研究員, タスクマネージャー(NAMA/MRV)

    早稲田大学大学院理工学研究科建築工学修了(工学修士)。コンサルティング会社にて、政府開発援助(ODA)による環境保全プロジェクト、国内外の環境影響評価に携わる中で一級建築士、技術士(建設環境)を取得。その後、地球温暖化 対策支援・CDMプロジェクト開発に従事した後、大宮法科大学院大学法務研究科を修了し(法務博士)、司法試験に合格。2013年よりIGESにて二国間オフセット・クレジット制度に関する能力開発事業等の調査・研究に従事。


COP20特集ページへ

IGESを知りたい

COP21に向けて:気候変動対策の新しい枠組み

12月1日からペルー・リマで国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20)が開かれます。2020年以降の新しい気候変動対策の国際的な枠組みに関する交渉が本格化し、来年末のパリで開かれるCOP21での合意を目指しています。今回は、浅川賢司IGES主任研究員に、COP21に向けてのCOP20の位置づけやIGESの取り組みについて聞きました。

---2015年末に、フランス・パリで開催される国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の「第21回締約国会議(COP21)」は、地球の未来にとって重要な国際会議とされていますが、その理由について教えてください。

浅川:
  • COP19
    COP19での交渉の様子

COP17(2011年11月に南アフリカの都市ダーバンで開催)で、遅くとも2015年までに、2020年以降のすべての国に適用される新しい枠組みを採択することが決まりました。 その後、COP19(2013年11月にポーランドの首都ワルシャワで開催)で、採択に向けたアプローチとして、2015年のできるだけ早い段階に、すべての国が2020年以降に自分の国が温暖化ガスをどれだけ減らせるかを約束する案(約束草案)を提出することが決まりました

そのため、COP21では、各国が提出した約束草案について、各国が十分努力する内容となっているか、あるいはもっと努力する余地はないかなどを、すべての国が十分に議論した後、2020年以降の新しい枠組みを確定することになっています。

このCOP21で決定されることになっている新しい枠組みは、世界の気候変動対策の根幹となり、COP3(1997年)において採択された「京都議定書」に代わって、新たな議定書になると言われています。

また、温暖化ガスを大量に排出している国々がどれだけ厳しい目標を約束するかで、将来的な気候変動をどれくらい防げそうかが決まるといえそうです。


---今年の12月にペルーのリマで開催されるCOP20は、COP21に向けてどのような位置づけになるのでしょうか。

Climate Change 浅川:

COP20はCOP21の準備をするための会合となる位置づけで、約束草案にどのような内容が記されるべきか、2020年以降の新しい枠組みはどのような内容で構成すべきか、などを検討することになっています。

COP3において採択された「京都議定書」も、COP1(1995年)から徐々に議論が開始され、COP2(1996年)を経て、採択までに2年間もかかりましたから、このCOP21で決まる新しい枠組みも一朝一夕にできるものではありません。そのため、COP20の議論をどこまで具体的に前進させられるかが、新しい枠組みに関するCOP21の合意の具体性に大きく関わってくるといえると思います。

---IGESのこれまでのCOPにおける活動について教えてください。また、COP21に向けてIGESでは、今後どのような取り組みをしていきますか?

浅川:

IGESでは、日本を代表する政府交渉団の正式なメンバーとして、数名の研究員が毎年COPに参加しています。加えて、それ以外にも実務者レベルが中心となった補助機関会合にも毎年参加しています 。

また、COPなどでサイドイベントという情報発信の場を設けて、国際的な議論にインパクトを与えるために、科学的な知見をもとにした数多くの提言を行っています。

さらに、2020年以降の新しい枠組みがどうあるべきかについて、UNFCCCに対して公式に意見書を提出するほか、新しい枠組みの主要テーマについてワーキングペーパー、ポリシーレポート等を発表していきます。

---ありがとうございました。



ページの先頭へ戻る