都市タスクフォース

ニューアーバンアジェンダ実施加速のための
持続可能な国土開発とモビリティ計画

第1回国連ハビタット総会公式サイドイベント

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、2019年5月28日に、日本政府(国土交通省)、持続可能な低炭素交通パートナーシップ(SLoCaT)、革新的な都市モビリティイニシアティブ(TUMI)との共催で、第1回国連ハビタット総会の公式サイドイベント「ニューアーバンアジェンダの実施加速のための持続可能な国土開発とモビリティ計画」を開催しました。

マルーシャ・カルダマSLoCaT事務局長と小池宏隆IGES研究員の司会進行のもと、登壇者は自身の取り組み事例や知見を共有し、また意見交換を実施しました。日本、南アフリカ、ドイツの各政府は、統合的な国土開発と交通計画の一体的な運用と実施に向けた政策的枠組みに関する議論と具体的なパートナーシップやプロジェクトの事例を紹介しました。日本政府は、「国土・地域計画策定・推進支援プラットフォーム(Spatial Planning Platform)」を通じたモンゴル政府の開発計画支援について発表しました。これは、日本が交通をひとつの柱として国土の均衡ある発展を進めた経験をもとにした国土計画の海外輸出支援の枠組みで、2016年の第3回国連人間居住会議(ハビタット3)や昨年の第9回世界都市フォーラムでも提案・言及されたものです。ドイツ政府は、革新的な都市モビリティイニシアティブ(TUMI)の枠組みを通じてモビリティに関して2千人以上の都市におけるリーダーを育成するとともに、ドイツ復興金融公庫(KfW)とともに14億ユーロ(約1700億円)以上を投資していることを紹介しました。南アフリカ政府は、地域ごとに交通形態が異なり都市間での互換性がないことに起因する問題を指摘し、地域間における統一的な交通開発の必要性を訴えました。

ストックホルム環境研究所(SEI)や国連人間居住計画(UN-HABITAT)、都市と地域のプランナー国際社会、ナイロビ地域の安全なナイロビイニシアティブ、交通と開発政策機関は、自動車交通によるCO2排出量データの収集と、その分析を通じた具体的な交通政策改善に関する取り組みや、地域コミュニティを巻き込んだ都市開発の変革、より統合的な都市開発のために必要なプランナーとコミュニティや自治体の連携について、議論を交わしました。

小池研究員は、SDGsを取り入れた統合的な国土・都市開発や交通計画、分野横断的かつ地域住民参加型の政策形成に有用なひとつのアプローチとして、自治体が自らのSDGsの取り組みと進捗状況をレビューする「自発的自治体レビュー」(Voluntary Local Reviews)を日本の事例をもとに説明しました。その上で、IGESが開設した世界初のVLR情報プラットフォーム「VLR Lab」を紹介しました。

主なメッセージは以下の通りです。

  • - 伝統的に都市交通開発は分野限定的な知見をもとに進められてきたが、実際には交通は人と人、場所、そして公共サービスを繋ぐハブである。交通という機能ではなく、人々のモビリティとの観点で、持続可能な国土・都市開発政策と一体的に検討することが重要である。
  • - - 自治体や国を対象とした都市内や都市間での国土計画に関するベストプラクティスや経験の共有の場やキャパシティビルディングの機会が必要である。
  • - 国土・都市計画は、モビリティ計画を含め、住民・地域コミュニティのニーズの把握なしには最適なものとならない。分野横断的に地域ニーズを満たそうとする姿勢が重要である。
  • - 都市間や地域間を結ぶ地域交通も存在する。したがってモビリティも自治体固有の課題ではない。同時に、モビリティの問題は、大型インフラ整備に終始しないよう留意する必要がある。
日 時 2019年5月28日(火)
会 場 国連ナイロビ本部(ナイロビ、ケニア)
主 催 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)、
日本政府(国土交通省)、
持続可能な低炭素交通パートナーシップ(SLoCaT)、
革新的な都市モビリティイニシアティブ(Transformative Urban Mobility Initiative : TUMI)
登壇団体一覧 国連人間居住計画(UN-HABITAT)、ストックホルム環境研究所(SEI)、都市と地域のプランナー国際社会(International Society of City and Regional Planners: ISOCARP)、ナイロビ地域の安全なナイロビイニシアティブ(Safer Nairobi Initiative of Nairobi County)、交通と開発政策機関(Institute for Transportation and Development Policy)、南アフリカ協働統治・伝統問題省、ドイツ連邦政府経済協力開発省
使用言語 英語
参加者数 約40名
プログラム PDFダウンロード(370KB 英語のみ)
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