気候変動とエネルギー

UNFCCC SB42サイドイベント:

自主的に決定する約束草案(INDC)の
意欲的な策定に向けて

UNFCCC SB42サイドイベント

IGESは、第42回国連気候変動枠組条約補助機関会合(UNFCCC SB42)のサイドイベント「自主的に決定する約束草案(INDC)の意欲的な策定に向けて」をドイツ・ボンにて2015年6月4日に開催しました。

本サイドイベントは、インド・エネルギー資源研究所(TERI)と共同で開催され、2020年以降の国際枠組みを見据えて提出されたINDCのレビュー、長期目標達成のためのINDCレビュー・サイクルの重要性、二国間クレジット制度(JCM)など市場メカニズムを活用したINDCにおける野心度の向上、より意欲的で実現可能なINDC策定のための各国研究機関の連携の重要性などについて発表しました。さらに、日本の2030年に向けた削減目標や技術移転の重要性について議論すると共に、2020年までに各国がどのように削減目標及びその達成に向けた行動を強化していけるかについて、TERIや気候変動国際技術トレーニングセンター(CICT)、また世界資源研究所(WRI)からのスピーカーを交え、約50名の政府関係者、研究機関、NGO等と共に積極的な意見交換を実施しました。

日時 2015年6月4日 16:45-18:15
場所 ボン世界会議センター(ドイツ・ボン)
主催 地球環境戦略研究機関(IGES)、インド・エネルギー資源研究所(TERI)
サマリー

TERIのManish Shrivastava氏は、INDCの要素を説明すると共に、現在提出済みの10ヵ国のINDCの現状と分析結果を発表した。その中でShrivastava氏は、努力不十分と分析せざるを得ない削減目標が存在することや、2℃目標達成に向けた累積排出許容量を超える可能性があること等を指摘した。加えてインドで策定中のINDCについても言及し、中国のINDCに明記されるとみられるCO2排出量の頭打ち(ピークアウト)目標は示されない可能性が高いと述べた。また、再生可能エネルギーのさらなる積極的な導入等の追加施策が行われた場合には、現在議論されている目標よりも高い削減が達成できるだろうと述べた。

田村堅太郎 ・関西研究センター副所長は、INDCの継続的な改善サイクル構築の重要性について発表した。田村氏は、現在議論しているINDCは長期的な目標に向けたひとつの通過点でしかなく、今後、定期的な再提出・改善を促進するサイクルを構築することが、より意欲的な取り組みを促進する一助になると述べた。また、改善サイクルを機能させるためには、法的な厳格性と柔軟性のバランスが取れる形でINDCをパリ合意の中に位置づけることが重要であると指摘し、その選択肢についても言及した。さらに、そうした改善サイクルを構築し、また各国の削減目標を効果的に評価するためには、評価対象国の専門家や研究機関で構成される研究コンソーシアムの結成が重要であると主張した。

小圷一久・気候変動とエネルギー領域エリアリーダーは、気候変動政策に関して、日本の約束草案(政府原案)(2030年度に2013年比で26%、もしくは2005年比で25.4%削減等)を紹介すると共に、二国間クレジット制度(JCM)の説明を行った。その中で小圷氏は、JCMの方法論について述べたほか、実際に登録されているプロジェクト数が増加していること、日本のINDCにおいてJCMの実施を通じて2030年までの累積で5,000万から1億トンの排出削減量・吸収量が見込まれていることを指摘した。さらに小圷氏は、既に提出されているINDCの中にも、市場メカニズムの活用を示唆する内容が含まれると説明し、ベトナムの隔年更新報告書(BUR)ではJCMの活用が明記されていると述べた。

パネルディスカッション
平石尹彦・IGES参与兼上級コンサルタントがモデレータを務めたパネル・ディスカッションでは、まず田村氏が長期目標の達成のためには早期行動が重要であることを「低炭素社会への転換行動加速の10年 (DATALoCS) (276KB)」の紹介を通じて発表した。加えてCICTのJakkanit Kananurak氏は、低炭素社会を構築する上での能力開発の重要性を指摘し、CICTは政策決定者に対し低炭素社会移行への必要施策等について情報提供を行っていると述べた。その後WRI (Open Climate Network : OCN)のTaryn Fransen 氏はより野心的なINDCを構築するには、田村氏の改善サイクルの提案と共に、効果的な評価方法を構築することや年度の目標でなく複数年度に亘る長いタイムフレームの目標を掲げること等の重要性を指摘した。

発表資料
INDCs so far: Prospects for Paris Agreement
Manish Shrivastava, インド・エネルギー資源研究所フェロー
PDF (539KB)
Cycle of Reviewing and Updating INDCs
田村 堅太郎, IGES関西研究センター副所長
PDF (461KB)
Joint Crediting Mechanism (JCM) in Japan’s INDC
小圷 一久, IGES気候変動とエネルギー領域エリアリーダー
PDF (371KB)
Panel Discussion Points
平石 尹彦, IGES参与兼上級コンサルタント
PDF (116KB)
写真

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