Climate and Energy
現地からの会議レポート:

気候資金に関するインセッション・ワークショップ

2014年6月11-12日

今回のSB40ボン会合では、気候資金に関するワークショップが2日間(6月11日と12日)に渡り開催されました。会場には、100名を超える各国の交渉担当者やオブザーバー参加者が集まり議論しました。

1日目報告

1日目は「2014年~2020年の間の気候資金増額のための戦略と方法」についての議論がありました。気候資金については、2020年までの先進国全体で官民合わせて年間1,000億米ドルを動員することが、COP15(2009年)とCOP16(2010年)において合意されています(長期資金)。それを残りの6年間でどのように実現するのか、様々な議論がありました。

以前より、1,000億ドルの資金源について、民間資金の動員による手段を強調する先進国と、先進国の公的資金の貢献を強調する途上国の間で意見の違いがありました。これを踏まえ、クリスティアナ・フィゲレスUNFCCC事務局長は、ワークショップの冒頭で、この議論をトマトは野菜か果物か、という議論に例えました。つまり、料理人は(サラダに頻繁に使われる)トマトを野菜と主張し、植物学者は果物だと主張するというものです。フィゲレス事務局長は、トマト(資金)が十分にあるか否かが重要で、野菜か果物か(公的資金か民間資金か)は重要な問題ではないと述べました。 

しかし、実際のワークショップの議論では、途上国政府関係者からは「民間資金は、利益のある所には自ずと投資が集まる」、「民間資金をどのようにコントロールするのか?」、「民間資金のことを議論する前にまずは緑の気候資金(GCF)に先進国は拠出するべき」等といった、先進国にとっては厳しい主張が多く聞かれました。先進国も、公的資金による支援を否定している訳ではなく、過去にも提供しまた今後についてもコミットしている国も多くあります。

最終的には、公的資金と民間資金のそれぞれの特徴を生かし、適切かつ十分な効果がでるような貢献を実現することが重要ですが、「公的資金VS民間資金」の議論は今回のボン会合でも続いています。

2日目報告

2日目は、気候資金に関するより質的な議論がありました。「気候資金の効果向上」のための政策整備や途上国支援の強化等について様々な議論がありました。

その中でも、フィリピンや南米等の途上国の交渉官からは、地球環境ファシリティー(GEF)や世界銀行等の既存の援助機関が実施してきた支援はドナー主導によるものであり、より受取国である途上国の主導で実施されるべきという意見が多く聞かれました。特に、キャパシティー・ビルディングについては、既存機関による支援は、「援助機関の資金にアクセスするための」支援という傾向がみられたが、むしろ「途上国政府の優先政策を実現するための」ものにするべきという指摘が、途上国政府のみならず、国際機関関係者による発言でも聞かれました。援助関係者の立場からは、資金を供与するには一定のプロポーザルのフォーマットに従って作成された文書の提出や、資金使途の一定のルールの遵守が必要です。これは、供与された資金が適切に使用されるための措置として、納税者の観点からも重要です。しかし、それが時として、途上国政府の優先政策に一致しない場合もあります。

ここで指摘された問題は、開発の分野において何十年と議論されてきた課題です。一朝一夕に解決できる問題ではありませんが、気候変動問題の「Urgency(緊急性)」に鑑み、心新たに取り組む必要性がありそうです。

このワークショップの結果は、今年末にリマで開催されるCOP20及びCOP20における気候資金に関する閣僚級会合で検討されることになります。今回のボン会合では、サッカーのワールドカップになぞらえた表現がしばしば使われています。ゴールを決めるために、どのような戦略、パス、ドリブルを選択するのが良いのか、問われています。

日付 2014年6月11-12日
場所 ドイツ・ボン Maritim Hotel
関連リンク
(UNFCCC Webサイト)
写真

ワールドカップが開催された6月12日、交渉が行われている会場の目の前の芝生で、「気候ゴール」と
「化石燃料ゴール」を奪い合うパフォーマンスが見られました。

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