ENB解説コラム:緩和

都市における気候変動政策

2013年11月21日
「ワルシャワ会議ハイライト-2013年11月14日」より引用
(GISPRIウェブサイト・Earth Negotiation Bulletin日本語版)

都市化と都市における気候行動推進での政府の役割:午後、2020年までの野心に関するADPワークショップは、都市化と都市における気候行動推進での政府の役割に焦点を当てた。ワークショップ進行役のBurhan Gafoor (シンガポール)は、このイベントを利用し、ADPの作業での具体的なオプションを見出すよう求めた。

都市における気候変動政策が注目を集め始めている。国連人間居住計画(UN-HABITAT)によると、都市における活動は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の70%を占めるとされる。また、「国連環境計画(UNEP)ギャップレポート2013」では、地下鉄などの大量高速輸送(MRT: Mass Rapid Transit)、バス高速輸送(BRT: Bus Rapid Transit)システムの導入や自動車の燃費改善などの交通分野で17~25億tCO2/year、断熱材の導入や高効率な空調設備の使用など建物の省エネによって14~29 億tCO2/year、廃棄物管理の改善によって8億tCO2/yearのGHG削減ポテンシャルがあるとしている。本レポートによると、これらの削減量の合計は、産業革命以前からの気温上昇を2℃以内に抑えるために2020年において必要となる削減量(成り行き(BAU; Business-As-Usual)GHG排出量からの削減量)の約1/3を占めている。交通、建築、廃棄物分野における活動は都市における活動に関連しており、「UNEP ギャップレポート2013」を発表するサイドイベントでは、地域レベル、都市レベルにおける削減ポテンシャルの算出の可能性について質問が寄せられていた。

ダーバンプラットフォーム(ADP)において、都市における気候変動対策、持続可能な運輸政策、建築部門の政策に焦点を当てたワークショップの第一回目が開催された。その様子が上記に示す11月14日分のENBに紹介されている。

交渉の外ではすでに、都市レベルでのGHG削減に対する取り組み・ネットワーク形成が展開されている。持続可能性をめざす自治体協議会(ICLEI)は地域レベルでの持続可能な開発及び低炭素開発を推進するために、人材育成、知識共有、技術コンサルタントを提供し、地域レベルの新しい取り組みの地域への導入を目指している。また、C40 Cities Climate Leadership Group(C40)は東京、横浜を含む100万都市を対象としたネットワークであり、各都市の取り組みについて情報共有を行っている。技術的取り組みとして、世界資源研究所(WRI)が、ICLEI、C40と協力してGlobal Protocol for Community-Scale Greenhouse Gas Emissions(GPC)を開発し、都市レベル、地域レベルでのGHG排出量の算定に取り組んでいる。ASEAN地域では、ASEANと日本政府の支援によって、環境に配慮した持続可能な都市(ESC: Environmentally Sustainable Cities)プログラムを支援し、水管理、廃棄物管理などの副次的な効果が得られやすい部門からGHG削減に関する取り組みが始まっている。

このような都市レベルでのGHG削減活動は、プロジェクトレベル、セクターレベルとは異にして都市という地理的な境界内におけるGHG削減といった新たな視点を持って捉えていく必要がある。加えて、ADPの中では途上国における適切な緩和行動(NAMA: Nationally Appropriate Mitigation Actions)や新たなメカニズムといったGHG削減を促す他の仕組みも議論されており、これらの取り組みとの整合性も求められるであろう。

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