気候変動とエネルギー

アジア地域における国際市場メカニズムと透明性に関する知見共有のための合同ワークショップ
Asian Regional Knowledge Sharing Workshop on International Market Mechanisms and Transparency under the Paris Agreement

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、UNFCCC-IGES地域協力センターとの協力の下、環境省委託事業の一環として、2019年1月28-30日、タイ・バンコクにて「国際市場メカニズムと透明性に関する知見共有のための地域合同ワークショップ」を開催しました。本ワークショップでは、カンボジア、インドネシア、ラオス、モンゴル、タイ、ベトナムといった協力国の政府関係者(交渉官を含む)の他、専門家の方々をお招きし、昨年12月のCOP24で採択された「パリ協定実施指針」に沿って、今後いかに国際市場メカニズムの活用を含む各国による報告を継続的に改善していくべきか、それぞれの経験、知見を共有し、活発に議論を行いました。また、同ワークショップでは、IPCC国家温室効果ガスインベントリタスクフォースユニットの協力を得て、2006年IPCC温室効果ガスインベントリガイドラインに関するトレーニングを実施しました。

サマリー

本ワークショップでは、各国参加者からの報告、専門家からのインプット並びに活発なグループ・ディスカッションを経て、次のような議論のポイントをまとめることができました。

  • 1. まず、全ての国において、実施体制の強化や技術的な知見の集積により、温室効果ガスインベントリの報告が改善されていきていることは明らかである。透明性枠組み(パリ協定13条)のための実施指針は、現行のものよりも厳しい要求事項を途上国に対して課しているが、それにも関わらず、ほとんどの国が積極的に更なる改善を通じて、新たな透明性枠組みの要求事項を意欲的に満たそうとしていることが分かった。更に、いくつかの国については、インベントリを提出するのみならず、いまやインベントリの「改善」の段階にあることが分かった(例:国固有の排出係数の開発)。
  • 2. 一つの大きな鍵となり得るのは、各国が隔年透明性報告書(BTR)を、定期的に、二年毎に提出出来るかということである。その他の要求事項(例:最新の報告年が提出年の2~3年前のものであること、毎年の時系列データの報告等)は、それほど深刻な壁ではないようであった。
  • 3. アジア地域において各国の報告する能力が向上する中、能力の高い国から、それ以外の国に対して多くの優良事例を共有できるということは大変効果的である。例えば、ITを活用したインベントリ開発システムの構築や詳細なニーズ、ギャップ分析などは有効である。
  • 4. 国際市場メカニズムの活用(第6条)に関する報告については、複数の国による二重計上の回避に必要な「相当の調整」を実施するためには、いくつかの手法があることを確認した。このうち、各国のNDCタイプや時間枠によって、ユニットを移転する側、使用する側がどの手法を使うべきか、は議論が分かれるところである。今重要なことは、NDC達成に向けて国際市場メカニズムを活用しようとする国々は、二重計上の回避は実際にはどのように行われ、またその結果、どういった影響が起こり得るのかということを十分に認識しておくことである。
  • 5. 排出量・排出削減量といった量的なNDCを掲げる国々は、NDC進捗の報告に要する指標として大方、国の排出量を利用することを考えていることが分かった。また、その主たる情報源は、温室効果ガスインベントリである。更に、いくつかの国々は、温室効果ガスインベントリ作成のための実施体制とは別に、NDC進捗に関する情報を把握するための実施体制を構築しようとしている。
  • 6. いくつかの国は、必要な、あるいは受託した支援に関する情報をシステマチックに収集するシステムを構築して来ている。一方で、「気候変動」という冠で分類されるべき支援の定義があいまいであったり、収集した情報を検証する手段がなかったりと幾つかの課題が残っている。
日 時 2019年1月28~30日
会 場 VIE Hotel Bangkok 17, 39-40 Phayathai Rd, Khwaeng Thanon Phetchaburi, Khet Ratchathewi, Krung Thep Maha Nakhon
主 催 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
UNFCCC-IGES地域協力センター
使用言語 英語
参加者数 30名
プログラム PDFダウンロード(208KB)
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