気候変動とエネルギー

国際市場メカニズムと透明性に関する知見共有のための地域合同ワークショップ
(Regional Knowledge Sharing Workshop on International Market Mechanisms and Transparency under the Paris Agreement)

パリ協定第6条では、国別目標(NDC)の達成に向けた市場メカニズムの活用を規定しています。また、同13条では、各国が目標達成に向けた進捗を定期的に報告するための透明性枠組みが設立されました。今後、各国が市場メカニズムの活用を含め、目標達成に向けた進捗を透明性を持って報告していくためには、国際的な協力の推進が求められます。
こうした背景から、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、UNFCCC-IGES地域協力センターとの協力の下、環境省委託事業の一環として、2018年2月26-27日、タイ・バンコクにて「国際市場メカニズムと透明性に関する知見共有のための地域合同ワークショップ」を開催しました。本ワークショップでは、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナムといった協力国の政府関係者(交渉官を含む)の他、専門家の方々をお招きし、二重計上の回避を含む市場メカニズムの活用の報告に関する重要なトピックについて、各参加者の理解や関心を共有しつつ、共通課題や対策等について、議論を行いました。

日 時 2018年2月26~27日
会 場 Kamolmart, 6階, Sukosol Hotel, Bangkok 477 Thanon Si Ayutthaya, Khwaeng Thanon Phaya Thai, Khet Ratchathewi Krung Thep Maha Nakhon 10400, Thailand
主 催 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
UNFCCC-IGES地域協力センター
使用言語 日本語・英語
参加者数 30名
プログラム ダウンロード(147KB 英語のみ)
サマリー

各国からの報告、専門家からのインプット及びグループ・ディスカッションでの議論を踏まえ、途上国における市場メカニズムの活用に関する報告について、次のキーメッセージと今後の国際プロセスに向けた提案をまとめました。

キーメッセージ:

  • 二重計上の回避を含む堅牢なアカウンティングを実現するためには、国際的な市場メカニズムの下で実施される排出削減プロジェクトについての情報が不可欠である。現在、発行クレジット量、移転のタイミング等に関する情報は、多くの場合、登録簿に記録されているものの、ほとんどの国において迅速に入手可能ではない。
  • 二重計上の回避を含む堅牢なアカウンティングは、報告されたある年の排出・吸収量が、データや推計手法の改善に伴い変化するという状況を十分に認識する必要がある。
  • 国際交渉における、パリ協定第6条、13条、4条間の関わり、及びそれらの実際の報告への技術的な意味合いについて、引き続き理解を深めて行きたいという強い要望が参加者から聞かれた。後者には、二重計上を回避する可能性のあるオプションと温室効果ガスインベントリーに報告された排出・吸収量との関係性を理解することを含む。
  • 途上国の温室効果ガスインベントリー作成能力は、制度整備、データ収集システム、政治的リーダーシップ、国内予算の改善を通じて、大幅に強化することができる。途上国がパリ協定の下、これらの改善を実施するための潜在的なベネフィットには、温室効果ガスインベントリーの改善により、緩和行動の影響がより目に見えるようになること、データに基づく政策決定が可能になることである。
  • データ収集システムの改善には、政府機関が必要なデータの提供及びデータ品質保証をカバーできるよう、政府機関の法的権限を強化することが有用である。省庁間のデータ収集とレビューが反復的に行われる分散型システムは、報告書の質を高めるための良い提案とされた。

国際プロセスへの提案:

  • 堅牢なアカウンティング:堅牢なアカウンティングを確実に実施していくためには、情報の記録だけでなく、それらの情報を、透明性を持って報告することが必要である。したがって、情報の記録システムを開発することに加えて、国際的な市場メカニズムに関与する国、及びメカニズムの管理者に対して、共通な様式などを含む、報告に関する要求事項について、国際的に合意されるべきである。
  • 透明性枠組み:途上国が、透明性を段階的に向上できるシステムを作ることが重要である。そのシステムの下、途上国が国家報告書を提出し、その後これに対するレビューを受けるというプロセスを繰り返すことで、改善を図ることができる。
  • 能力構築のニーズの特定:パリ協定の強化された透明性枠組み(ETF)の下定められるガイダンスは、どのようにして能力構築のニーズを特定すべきか、そのアプローチの詳細を示すことが求められる。これによって途上国の能力構築の現状が把握できるだけでなく、限られたリソースをどこに費やすべきかを、より明確にできる。

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