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■IGESがポリシー・ブリーフ第5号を発行
 
「京都議定書の目標達成に向けて:日本が海外から排出削減クレジットを取得するためのステップ」

2006年12月20
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)

この度、財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES、神奈川県葉山町)は、日本の気候政策に関するポリシー・ブリーフを発行いたしました。

先進国に対して温室効果ガス(GHG)排出削減を義務づけている京都議定書において、日本は第一約束期間(2008~2012年)にGHG排出を1990年時点より6%削減することが定められています。日本政府が2005年に打ち出した京都議定書目標達成計画では、2010年にはGHG排出が90年比6%増加するとの予測の下、最大限の努力を行っても国内対策だけでは削減しきれない1.6%相当(第一約束期間中に約1億トン)については、京都メカニズムの活用により対応する必要があるとしています。しかし、実際の国内排出量は依然増加傾向にある上、削減対策や国内吸収源による効果についても楽観視はできない状況にあります。このため、目標達成計画で見込まれた1.6%相当分を上回る排出削減量を京都メカニズムの活用により獲得することが必要になる可能性もあります。

本ポリシー・ブリーフでは、日本が京都議定書に定められた目標を達成するためには、少なくとも1.6%相当の排出削減クレジットを海外から取得することが必須であるとの認識の下、京都メカニズムの活用によるクレジット調達方法について、それぞれの長所・短所について考察し、その上で、効果的なクレジット取得に向けて、次の2つのステップに早急に取り組むことを提案しています。

i) 買取制度の効果的な実施
現時点では不確実性は高いものの、相対的に安価な「クリーン開発メカニズム(CDM)」によるクレジットから、供給ポテンシャルが高く、かつ、長期的な排出削減効果が見込まれる「グリーン投資スキーム(GIS)」(但し、相手国の排出削減に確実に貢献する「ハード・グリーニング」プロジェクトを対象)によるクレジットへの取得対象の移行
炭素関連税による買取のための財源確保の継続 等
ii) 国内排出量取引制度の構築と他国の国内排出量取引制度との連携による、新たなクレジットの流れの創出と、日本政府と企業によるクレジット取得の促進


【注】本文は2006年10月時点までのデータに基づいて執筆しております。
本文中、「クレジット取得予算として2006年度は54億円を確保し、2013年までの8年間に最大122億円の債務負担行為を行う準備をしている。」となっておりますが、先般発表された2007年度の政府予算案によれば、2007年度のクレジット取得予算として129億円が計上されており、これを含めた国家債務負担行為の限度額も相当程度確保されることが見込まれます。 また、2008年度以降も取得予算が追加されることにより、総額がさらに増加することも予想されます。

【本件に関する問合せ先】
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
広報担当:城戸めぐみ
〒240-0115 神奈川県三浦郡葉山町上山口2108-11
Tel: 046-855-3734
Fax: 046-855-3709
お問合せ




ポリシー・ブリーフ:
 IGES各研究員の研究成果を、わかりやすく、かつタイムリーに国内外の行政機関、国際機関、企業、NGO等に向けて政策提言として発信するために2005年6月に創刊。持続可能な開発に関する最新の課題とともに、政策形成の際に検討すべき選択肢などを提起して参ります。

 創刊創刊号:「国際リサイクル特区と域内ネットワークの構築」
 第2号:「アジアにおける環境情報公開の促進と地域協定の導入-参加型持続可能な開発を目指して」
 第3号:「森林減少への取り組み:改革への原動力としての森林認証
 第4号:「Rationalisation of Industrial Sector Water Use is the Key to Sound Groundwater Management」(英文のみ)
 第5号:「京都議定書の目標達成に向けて:日本が海外から排出削減クレジットを取得するためのステップ」

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