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■「2005年アジアの環境重大ニュース」(暫定版)の公表
アジア太平洋地域より93件のニュースを掲載
2005年12月21日
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
事務局長   徳田博保
広報担当 城戸めぐみ
財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES、神奈川県葉山町)は、このたび「2005年アジアの環境重大ニュース」(暫定版)を取りまとめました。国際機関やアジア太平洋地域16カ国*1の環境専門家、およびIGESが、自国や地域内における2005年の環境に関するニュースの中から選んだ重大トピック93件が掲載されています。

「アジアの環境重大ニュース」は、IGESが1998年の設立以来、その研究ネットワークを生かしてニュースを収集し、毎年発表・発行しているもので、内容は、地球温暖化、大気、水、森林、廃棄物、有害化学物質、自然保護など、多岐の分野にわたります。これらは必ずしも国や機関等の公式な見解ではないものの、アジア太平洋地域の各国が過去1年に直面した環境問題やその対応・施策などの動向を概観できる情報として好評を得ています。

アジアでは、自然災害に対する適切な対策が各国政府に求められています。昨年末に発生したスマトラ沖地震とインド洋津波がアジア太平洋地域に甚大な影響を及ぼしたことは未だ記憶に新しいですが、スリランカでは津波による地下水汚染の被害を受け62,000の井戸が汚染され、健康被害なども出ているとの報告が寄せられました。マレーシアからは、これまでの教訓に学び、地震・津波の警告メッセージ発信システムがテスト段階に入っているとともに、暴風雨による人命損失や建物の被害を最小限にとどめるため、衛星技術を利用した土石・泥流警告システムの構築も計画されているとの報告がありました。また、本年10月のパキスタン北部を襲った地震については、その甚大な被害とともに、復興再建の下での新たな環境破壊を懸念する声も寄せられました。

一方、中国で11月に起きた石油化学工場の爆発では、同国東北部を流れる松花江からはるか下流のロシアにまで化学物質による河川汚染が大規模に広がりました。これについて、環境に対する中国国民の自覚が明らかに高められたとともに、危機管理、河川の水質管理、都市における給水管理など多方面にわたる政策の再考を政府に促す重要な出来事であった報告されています。

地球温暖化については、先のカナダ・モントリオールでの国連気候変動枠組条約第11回会議及び京都議定書第1回締約国会合において、京都議定書の運用ルールが正式に採択され、また将来枠組みに関する対話を開始することも合意されました。このような中で、中国、インドネシア、フィリピンの各国からは、クリーン開発メカニズム(CDM)に関する国内制度の整備進展が報告され、アジア地域における京都メカニズム活用への期待の高まりとその取組みの活発化が見受けられました。

なお、本年はじめて報告が寄せられたブータンからは、650種類以上の鳥類の生息が観測される手付かずの自然の状況や、プラスチック使用禁止令の強化といった厳しい政府の取組みなどとともに、同国の一連の環境活動が評価され、国連環境計画(UNEP)による第1回「地球大賞」*2を同国国王と国民が受賞したニュースが報告されました。

今後、5カ国(インド、モンゴル、シンガポール、スリランカ、タイ)のニュースを加え、2006年3月に最終版(和英併記)を発行する予定です。


* 1: 国連環境計画アジア太平洋地域事務所(UNEP/ROAP)、中央アジア地域環境センター、オーストラリア、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、ロシア、ベトナム
* 2: グローバル500賞に代わるアワードとして2004年に創設されたもの。

2005年アジアの環境重大ニュース(暫定版) 概要 (PDF244KB)
【本件に関する問合せ先】
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
広報担当:城戸めぐみ
〒240-0115 神奈川県三浦郡葉山町上山口2108-11
Tel: 046-855-3734
Fax: 046-855-3709
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