rio+20 towards and beyond
リオ+20第2回成果文書交渉会合に参加して
(2012年5月)
2012年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催される国連持続可能な開発会議(UNCSD、「地球サミット」「リオ+20」)に向けて、4月24日~5月4日にかけて第2回成果文書交渉がニューヨークで開催された。本番を1カ月後に控えた今、交渉は未だに難航している。

交渉の現状
共同議長提案のテキストをもとに、2つのワーキング・グループに分かれ議論が進められたが、交渉妥結に向けた進展は少なく、400以上あるパラグラフのうち仮合意されたのは21パラグラフのみであった。 各国要人やメジャー・グループの代表は会議場ではなく、外にある「Vienna Cafe」でそれぞれの主張に基づき舞台裏での調整に時間を割くことが多く、表の交渉を早期に妥結させようという雰囲気はなかった。こうした中、5月29日~6月2日に追加交渉を行うことが決定され、また5月22日までに共同議長が短縮した新テキストを出すことを報告した。次回の会合では交渉グループは仕事のやり方を劇的に変える必要がある。

グリーン経済への移行についてはグリーン経済の定義の曖昧さもあり多くの途上国が「共通だが差異ある責任(CBDR)」の明記を主張する等、依然として状況は変わっていない。持続可能な開発のための制度的枠組み(IFSD)については、共同議長のテキストが作成されず、議論も行われない状況が続いていたが、3日にG77+中国がECOSOCの改革等を含む包括的な見解をまとめるという新たな展開があった。しかし、翌日にはアフリカ・グループが、検討内容の中にUNEPの専門機関化が含まれていないことから離脱するなど、G77+中国が一枚岩ではないことが明らかになった。持続可能な開発目標(SDGs)についても議場の内外で合意に向けた様々な試みが行われているが、依然MDGsとの関係を巡り意見の隔たりが大きい。リオ+20の最大の成果と期待されるが、分野を特定するなど野心的な合意に至るか否かは最後まで予断を許さない。
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プログラム・マネージメント・オフィス
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今後の見通し
3月の交渉会合よりも、主催国のブラジルをはじめ加盟国にも事務局にも強いリーダーシップがなく、切迫感がないという声が、会議場の外で多く伺えた。‘92年のリオ・サミットのような大きな成果が想定されない中で、過去20年の変化を踏まえた「持続可能な開発」に対する新たな政治的コミットメントが得られるかどうかが問われている。閉会の場で共同議長から、閉会直前にバン・ギムン国連事務総長が「一世代に一度の機会(once-in-a-generation opportunity)」であるとして交渉の進展に強い期待するというメッセージが伝えられたが、5月末に予定されている交渉において各国が切迫感と柔軟性をもって臨み、政治的な合意に向けた新たな展開がみられるかが注目される。また、リオ+20では、各国によるパビリオン展示、サイドイベントの実施、ウェブサイト上での市民参加型のダイアローグなど、成果文書に頼らない別の意味での「リオ+20の成果」を盛り上げていく必要もあるだろう。

*** このコメンタリーの内容は執筆者の見解であり、IGES の見解を述べたものではありません。

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