アジアの都市は,再エネのシェアの増加や多様な政 策措置の導入によるエネルギー効率の改善など,世界 的に合意されている気候変動の緩和策の目標に向けて すでにさまざまなレベルの取り組みを行ってきてい る。アジアの多くの都市も,ネットゼロへの取り組み を宣言してきている。いくつかの都市は,ネットゼロ に向けた計画と具体的な行動を公表した。しかし,ほ とんどの都市は利用できる資源や経験・能力が限られ ているために,2050 年までにネットゼロを達成する 長期計画を立てる課題に直面している。都市の境界内 で利用可能な再生資源が限られていることを考える と,都市単独でネットゼロを達成することは通常のア プローチでは極めて難しい。地域循環共生圏のアプロ ーチを採用すれば,農村地域との協力をネットゼロに...