持続可能な都市 (北九州アーバンセンター)

国際セミナー

さらなるグリーン成長に向けて:
「OECDグリーンシティ・プログラム北九州レポート発表記念会議」

北九州アーバンセンターは、「OECDグリーンシティ・プログラム北九州レポート発表記念会議」のコーディネートを行いました。

IGES北九州アーバンセンター(KUC)は、地元企業、大学及び市民代表からなる「OECDグリーンシティ・プログラム北九州チーム」の一員として北九州市と共同事務局を務めています。これまで報告書ドラフトに対して助言を行うとともに、本プログラムを活用したグリーン成長政策の世界的普及について北九州市からの要請を受けて政策提言調査を実施してきました。

本会議は、OECDグリーンシティ・プログラムのグリーン成長都市に選定された北九州市について、同市のグリーン成長を目指した取組みなどを記した北九州レポートの日本語版がOECDから発行されたのを機に、レポートの内容を広く国内外に発信しようとするものです。 鹿毛(かげ)浩之・北九州アーバンセンター所長(国立大学法人九州工業大学副学長)が全体進行とパネルディスカッションのコーディネーターを務めました。

日時 2013年10月18日(金)15:00-17:00
会場 北九州国際会議場メインホール
主催 北九州市/OECDグリーンシティ・プログラム北九州チーム(IGESほか)
共催 OECD
参加者数  市民及び海外(30カ国以上)有識者など約300名
プログラム
コーディネーター: 鹿毛 浩之 IGES北九州アーバンセンター所長/九州工業大学副学長
15:00 開会/主催者挨拶
北橋健治 北九州市長
15:05 IOECDグリーンシティ・プログラム及び北九州レポート説明
ロルフ・アルター OECD公共管理・地域開発局長
15:25 OECD北九州レポートに関するコメント
加藤 美佐子 北九州市婦人会連絡協議会会長
福丸 清生 北九州市衛生総連合会会長
伊藤 健二 北九州商工会議所副会頭
竹本 和彦 北九州市顧問
(国連大学高等研究所プログラムディレクター)
海外諸都市等からの経験共有・取組み
戸川 秀俊 国土交通省都市局都市政策課企画官
マーガレッタ・ビョルク ストックホルム市議会議長(スウェーデン)
カレン・サンズ ミルウォーキー下水道公社課長(米国)
16:10 パネルディスカッション:
北九州レポートを踏まえての今後のグリーン成長への取組み
16:50 総括:
ロルフ・アルター OECD公共管理・地域開発局長
北橋健治 北九州市長
サマリー

OECDからみた北九州市のグリーン成長
経済協力開発機構(OECD)からは、ロルフ・アルター公共管理・地域開発局長が出席し、北九州市には、成長を損なうことなくより良い環境とより良い経済を両立できた確たるエビデンスがあると説明しました。そのうえで、北九州市が保有する成長資産として、地域から声を上げる「活発な市民」の存在、積極的にグリーン経済活動を実践できる「企業」、そして大学、公的研究機関、行政等からなる地域の「グリーンイノベーションシステム」の存在を指摘しました。 今後、北九州市はグリーン成長に向けて何を目指すべきなのでしょうか。アルター局長は、グリーン生産について重点とすべき対象を特定したうえで企業誘致や雇用創出につなげることや、再開発やエコ地区開発によって土地の価値を高めることを提案しました。また、グリーン成長に不可欠のものとして国際的なコラボレーションを掲げ、国を超えた都市との国際協力の強化によって互いに学ぶことができると指摘しました。

「市民環境力」
「青空がほしい」キャンペーンに取組んだ婦人会の代表、地域社会を基盤に市民参加によるごみ減量化に取組んだ衛生総連合会の代表からは、経験やノウハウを若い世代に確実に引継ぐことなど、市民環境力を一層高め、グリーン成長へ市民として貢献したいとの意欲が表明されました。北九州商工会議所の代表からは、北九州で活動する企業が一丸となって一層の技術革新を進め、世界のグリーン成長に永続的に寄与したいとの発言がありました。

「グリーン成長モデル」
竹本和彦・北九州市顧問からは、世界がグリーン成長を目指して動き出しているこのタイミングで発表された北九州レポートは非常にタイムリーであると指摘。北九州市の経験は、世界的にも国内的にもモデルとなりうるケースであり、北九州市だからこそできたことと、少し応用したら他都市にも汎用できる、といった観点からの分析と整理を今後期待したいとのコメントがありました。

互いに学び合う~ストックホルム市からの提案
今回同じタイミングでOECDグリーンシティ・プログラムのグリーン成長都市に選定されたストックホルム市からはマーガレッタ・ビョルク市議会議長が登壇。人口規模や港湾都市であることのほか、2010年には欧州委員会から「欧州グリーン首都」として認定されるなど大気、水質汚染を改善することに成功した都市として、北九州市との共通点を説明しました。近年では、商工業地域の再開発によるエコ地区(ハマビーショスタット)整備に取組み、低炭素化の目標を設定し、市民とともに地球温暖化対策に挑む用意ができている旨報告がありました。そのうえで、両市の協調の重要性に触れ、互いに学び合い、ベストを尽くし、私たちの地球の将来のため協働していこうと呼びかけました。

ディスカッション:今後のグリーン成長に向けて
まず、これまでの議論の総括として、竹本和彦・北九州市顧問より、OECD北九州レポートは北九州市にとっては今までの取組みの集大成であり、市民としては非常に勇気づけられものであり、そして他の都市と相互に学び合う機会を提供してくれるものでもあることが確認されました。 これを受け、コーディネーターである鹿毛KUC所長から、アルター局長が指摘した都市のグリーン成長によってもたらされる4つの項目、1)雇用の創出、2)企業などの誘致、3)イノベーションと企業家精神の奨励、4)土地利用による価値増大、について、フロアからの意見も交えて意見交換を行いました。

ビョルク・ストックホルム市議会議長からは、同地域にあるクリーンテクノロジー企業のネットワークであるクリーンテックを取上げ、いろいろなステークホルダーが協働して同じ目標に向かうことがイノベーションと雇用創出につながることを紹介。グリーンプロダクツの売上が伸びている北九州市内企業の事例も交え、低炭素社会/システムづくりへのニーズの大きさも含めグリーン成長のポテンシャルを展望しました。

OECDのアルター局長からは、イノベーションだけが積極的行動により成長を実現できる唯一の手段であるとし、グリーンシティ、環境未来都市など色々な言葉で未来を目指しているが、それを目指そうとすればいつも必ず解決策としてイノベーションに立ち返らねばならないと、その重要性について力説しました。

総括:北九州市のさらなるグリーン成長への宣言
鹿毛KUC所長からの総括として、グリーン成長は、雇用、企業誘致、イノベーションあるいは土地利用などの面から地域の活力に密接につながっているものであること、そしてこれらを担うのは市民であり関係者が力を合わせて皆でその方向性にまとめていかねばならない、その意味で、グリーン成長は都市成長に非常に重要であるとまとめました。

最後に、北橋・北九州市長から、今後、先進的なモデルとしてOECDから評価されたものについては、アジア諸都市はもとより世界中に広めて、各国各都市のグリーン成長に役立てていくとともに、北九州市は市民、企業、NPOなど全ての北九州市民、各界と力を合わせて、次の50年に向け市民環境力によりさらなるグリーン成長に向けて取組んでいくことを宣言して、閉会しました。

なお、上記会議が開催された北九州市制50周年「北九州エコマンス」(平成25年10月)では、本会議のほかにOECD、内閣府・内閣官房、環境未来都市構想推進協議会、外務省、UNIDO、UNCRD、国連大学等が主催する一連の国際会議・フォーラムが開催されました。

関連リンク:
  1. 北九州エコマンスにおける国際会議・フォーラム(概要)(北九州市Webサイト)
  2. 北九州エコマンス紹介ビデオ (YouTube : 北九州市制作)
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