IGES
SearchEnglish
IGES Homeサイトマップお問い合わせアクセス
HOME
IGES概要
研究プロジェクト
CDMプログラム
政府間プログラム&ネットワーク
出版物
ニュース・イベント

公開イベント
プレスリリース
賛助会員募集
採用情報
メールニュース
グローバルネットワーク
データベース&リソース

EnviroScope

メールニュースE-alert"
IGESホーム > トピック
 
 
「2009年アジアの環境重大ニュース」の発行

IGESは、このたび「2009年アジアの環境重大ニュース」を発行しました。アジアにおける重要な環境トピックである「地球温暖化」、「生物多様性」、「持続可能な生産と消費」の3つに焦点を当て、国際機関とアジア太平洋地域23ヶ国の環境専門家が選んだ自国や地域内における2009年の重大ニュースを掲載しています。

International Forum for Sustainable Asia and the Pacific (ISAP2009) Forum Report
「2009年アジアの環境重大ニュース」ダウンロードはこちら
プレスリリース
これまでのアジアの環境重大ニュースはこちらから

2009年アジアの環境重大ニュース 概要

地球温暖化
2009年12月に開催されたCOP15では、将来気候枠組みづくりについての「コペンハーゲン合意」が「合意に留意する」という形で採択された。同合意には気温上昇を2度以内に抑えるための排出削減の必要性や途上国への資金支援が明記されたが、一方で、中・長期目標について先進国・途上国共に具体的な数値への言及がない等、対立の大きな課題は先送りされ、今後の交渉に委ねられることとなった。
温暖化の影響
ラオス南部では、例年になく多くの洪水被害が相次いだ。中でも2009年9月に襲来した大型台風ケッツァーナでは、18の郡と360の村が大きな被害を受け、気候変動による影響も示唆されている。
ベトナムでは、同国の気候変動と海面上昇のシナリオが2009年9月に天然資源環境省から発表され、2100年までに年間平均気温が2.3℃上昇し、海面上昇は75センチに上るとの報告があった。
ブータンでは、2009年4月に氷河湖の決壊により主要河川であるポチュ川が氾濫し、沿岸住民が非難する騒ぎがあった。ブータン北部にある24の湖は決壊寸前とされており、氷河の雪解け水を利用した水力発電が盛んな同国では深刻な問題となっている。
ネパールでは、国際総合山岳開発センター(ICIMOD)の研究により、イムジャ氷河湖等6つの氷河湖が決壊の危機にあることが明らかになった。

各国の地球温暖化対策
シンガポールでは、持続可能な開発に関する省庁間委員会が「持続可能なシンガポール構想」を2009年4月に発表し、家庭及び企業に二酸化炭素削減の長期的取り組みを求めるとともに、エネルギー強度の削減を目標に掲げた(2020年までに05年比で20%削減)。
オーストラリアは、温室効果ガス排出量を2020年までに2000年比で25%削減するという目標を2009年5月に発表した。また、2020年までに実施予定の大規模炭素吸収・貯留プロジェクト20件を統括する世界炭素回収・貯留技術研究所(GCCSI)がオーストラリア政府の主導により設立された。
ニュージーランドは、温室効果ガス排出量を2020年までに90年比で10〜20%削減するという目標を2009年8月に発表した。
日本では、鳩山由紀夫首相が2009年9月の国連気候変動サミットにおいて、途上国に対する温暖化対策支援を「鳩山イニ シアチブ」として表明したほか、主要国の削減努力を前提に、温室効果ガス排出量を2020年までに90年比で25%削減する という野心的な中期目標を公約した。
韓国は、温室効果ガス排出量を2020年までにBAU(特段の対策を講じない場合)比で30%自主的削減することを2009年11月に発表した。また、「グリーン成長5カ年計画」を策定し、今後数年間、毎年GDPの2%に相当する資金をグリーン成長分野に投じるとしている。
中国では、2009年8月に気候変動対策に関する決議が採択されたほか、胡錦濤国家主席が9月の国連気候変動サミットで「気候変動への挑戦」をテーマに具体的な数値を示して講演を行う等、気候変動問題への積極的な取り組みが見られた。また、11月には、2020年までに、単位国内総生産(=GDP)当たりのCO2排出量を05年比で40〜45%削減する温室効果ガスの削減目標を初めて発表した。
モンゴルでは、国内における気候変動研究の成果をまとめた評価報告書が初めて発表されたほか、砂漠化対処に関する今後10年間にわたる国家行動計画が策定された。
フィリピンでは、2009年10月に「気候変動法」が成立し、気候変動問題に関する政策決定機関となる気候変動委員会も創設された。
カンボジアでは、2009年10月に「気候変動に関する第1回全国フォーラム」が政府機関や開発パートナー、NGO等の参加の下で開催され、気候変動問題に対するカンボジア政府の積極的な取り組みが示された。
タイでは、温室効果ガスの削減に向けて、製品・サービスの温室効果ガス排出量を表示するカーボンラベル制度と、エネルギー省の省エネ認証を取得したことを示す省エネラベル制度が導入された。
インドは、2009年12月に、同国の地球温暖化対策として、一定の国内総生産(GDP)を生み出すのに必要なCO2排出量を、2020年までに05年比で20〜25%削減すると発表した。

再生可能エネルギーを巡る動向
オーストラリアでは、2020年までに再生可能エネルギーの発電能力を4倍に引き上げ、総電力に占める割合を20%に設定した法案が通過した。
フィリピンでは、再生可能エネルギー源の開発・利用・実用化を促進する「再生可能エネルギー法」が2009年1月に施行された。
ミャンマーでは、中国企業による水力発電開発が活発化しており、北部カチン州で今後数年間に計画されている7基の建設が中国企業に委託された。
中国では、太陽光発電の普及に向けて、新たな太陽光発電事業を対象とした補助金制度「金太陽示範工程」が2009年7月に発足した。
インドでは、再生可能エネルギーによる発電量が国内の総発電量の8%を占めており、2012年には目標値である10%を超えるものと見込まれている。また、2020年までに2万メガワットの太陽光発電を実現させるという野心的な目標も承認された。

気候変動への適応策

UNEPは、アジア諸国の国・地方レベルにおける気候変動評価の実施を支援し、異常気象の早期警報システム設置やインフラ管理等、効果的な適応策の選択肢を提示した。
中央アジアでは、氷河融解等、気候変動の影響が顕著になっており、COP15に向けて2009年10月に開催された中央アジア諸国間の対話の場において、経済発展戦略に適応策を組み込む必要性が提言された。
オーストラリアでは、129億オーストラリアドルを投じた気候変動適応プログラム「未来のための水資源」計画において、干ばつ地域でのプロジェクト策定や水利用制限の設定等が進められている
気候変動による乾燥化で農作物への影響が懸念されているスリランカでは、適応策のひとつとして、少ない水や塩類土壌でも生育する新種のハイブリッド米の開発が検討されている。
サイクロンと洪水により深刻な被害を被ったバングラデシュでは、大規模な植林と河川の浚渫といった適応策が最優先課題となっている。

その他

2009年5月に第1回世界海洋会議がインドネシア・北スラウェシで開催され、気候変動の緩和における海洋の役割や海洋資源を考慮した気候変動対策について意見交換が行われた。
タイ国政府観光庁は、観光業界と旅行者双方の地球温暖化への意識向上を図る目的で、2009年6月に「持続可能な観光のための環境保護宣言」を行った。
アジア太平洋都市観光振興機構は、二酸化炭素排出量の少ない公共交通の利用促進等を謳った共同宣言を2009年9月にマレーシア・コタキナバルで締結した。
2009年11月に、ロシアのプーチン首相は、COP15において条約に合意する際は、ロシアの広大な森林が持つCO2吸収力も考慮すべきであると表明した。

生物多様性
野生生物の保護
UNEPの報告によると、絶滅の危機に瀕しているソデグロヅルや渡り鳥の生息地保全に向けて、鳥の飛行ルートにあたる中国、カザフスタン、イラン及びロシアが協力を開始した。
中央アジアには多くの植物種・属の起源が存在する。カザフスタンでは、リンゴの栽培品種の先祖とされる新疆野生リンゴ等を対象に農業生物多様性の保全プロジェクトが進められている。
ロシアでは、ホッキョクグマやセイウチの繁殖地や絶滅危惧種であるゾウゲカモメの生息地を含む国立公園「ロシアン・アークティック」が2009年6月に誕生した。
インドでは、トラの保護プロジェクトへの予算を倍増させ、密猟の取り締まり強化等、州政府や保護区と連携した積極的な取り組みが進められることになった。
パキスタン有数の湖であるキンジャール湖では、産業排水の影響で水質汚染が進み、水生生物や渡り鳥の生態系への影響が危惧されている。
ブータンでは、気候変動による影響と密猟が生態系を脅かしている。一方で、2009年には21種の両生類・昆虫及び21種の植物の新種が新たに発見された。
ネパールでは、国立公園等の保護区以外においても、絶滅危惧種であるレッドパンダの保護活動が行われることになった。
インドネシア南端のロテ島では、絶滅危惧種であるマコードナガクビガメの放流が2009年7月に行われた。
フィリピンの北ネグロスで、絶滅危惧種のシカの生息が確認された。一方で、世界最小の食用魚としてギネスブックに掲載されているシナラパンが自然生息地から消失したことが明らかになった。
ニュージーランド北島のモタタウ・フォレストでは、マオリ族が実施したペストコントロール(有害生物防除対策)により在来鳥が復活し、森林の再生が実現した。

包括的対策

シンガポール国立公園庁は「シンガポール生物多様性国家戦略・行動計画」を策定し、都市における生物多様性保全の枠組みを提示した。また、6月には都市における生物多様性喪失の進展度を評価する「シンガポール都市生物多様性指標マニュアル」草案を作成し、2010年に開催されるCOP10において議論が進められることになっている。
ベトナムは、2009年3月に国連のREDD(森林減少・劣化による排出削減)プログラムに参加し、国内最大規模の自然林があるラムドン省を実施地域に選定した
カンボジアでは、2009年5月に拡大メコン準地域における生物多様性回廊の保全に関する会議がアジア開発銀行及びNGO等の参加により開催され、天然資源の持続可能な利用や生態系の回復等に向けた包括的な議論が進められた。
ラオスでは、生物多様性への影響が憂慮されていた焼畑農業に代わり、異なる作物を同時に栽培して土壌の質と収穫高を高める混作が導入された。
マレーシアは、2009年10月に、ボルネオの生物多様性保全に関する三カ国(マレーシア、ブルネイ、インドネシア)越境協力「ハート・オブ・ボルネオイニシアティブ」への支持を表明し、関連プロジェクトへの資金提供を行うことになった。
バングラデシュでは、新内閣の下、環境NGOからの支援を受けながら既存の環境保護規制の見直しが進められている。
中国では、島の生態系保全に向けた「海島保護法」が2009年末の最終審査を経て公布される見込みとなっている。
2009年11月に中国・武漢で第13回世界湖沼会議が開催され、40ヵ国の参加の下、湖沼生態系の保全と統合的な流域管理等を謳った武漢宣言が採択された。
韓国の非武装地帯(DMZ)には希少種が数多く生息し、中でも絶滅が危惧されているマナヅルやタンチョウヅルを含む渡り鳥の越冬地となっている。韓国政府は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の生物圏保存地域登録に向けて、同地帯の生態系保全に向けた計画を策定している。
オーストラリアでは、環境分野の主要国内法である「環境保護・生物多様性保全法」に対する戦略的評価が実施され、2010年中に政府が評価結果への対応を行うことになった。

COP10へ向けた課題
2010年にCOP10の開催を控える日本では、「生物多様性」や2010年10月に名古屋で開催される「COP10」に関する理解 が進んでいないことが2009年6月に内閣府が実施した調査で明らかになった。また、COP10で合意を目指す2010年以降の 新たな国際目標について、日本として「2050年までに生物多様性を現状以上に豊かにする」と提案する方針を12月にまとめた。
国際自然保護連合(IUCN)は、絶滅に瀕する動植物種の増加を指摘し、生物多様性喪失の割合を2010年までに削減するとした国際戦略「2010年目標」の達成が危ぶまれていると警告した。
持続可能な生産と消費
廃棄物管理・リサイクルの促進
アジアにおける低炭素・循環型社会の実現に向けて、各国の3R政策実施に関する国際連携枠組み「アジア3R推進フォーラム」が2009年11月に設立された。
都市廃棄物問題が喫緊の課題となっている中央アジアでは、欧州連合の支援を受けて、市民の廃棄物に対する意識啓発キャンペーンが開始された。
バングラデシュでは、3Rの実施に向けた担当部署を近々環境局に設置することが発表された。
インド・デリー市が固形廃棄物からの発電計画を立案したほか、インド北東部では「ごみゼロ社会」を目標に廃棄物から製品を作り出すプロジェクトが開始された。
中国では、消費のてこ入れとともにリサイクルシステムの確立を目指した都市部での家電・自動車買い替え促進政策「以旧換新」が2009年5月に発表された。また、土地利用や開発の計画段階で環境影響評価を行う「計画環境影響評価条例」が10月から実施に移された。
マレーシアでは、2009年8月に産学官民が共同で実施する固形廃棄物分離のパイロットプロジェクトが始動し、プトラジャヤが2020年までにごみのリサイクル率を現在の5%から22%に引き上げる政策のモデル都市に指定された。
オーストラリアでは、2021年までにテレビとコンピューターのリサイクル率を80%とすることを盛り込んだ国家廃棄物政策が発表された。
家電ごみの大半が埋め立て処分されているニュージーランドでは、オークランドの企業がブラウン管とテレビの廃棄処理装置を開発し、環境に配慮したリサイクルが可能になった。

資源効率化への取り組み
UNEPは、アジアの産業の資源効率化に関する国際会議を2009年9月にフィリピン・マニラで共催し、「グリーン産業のための宣言と行動計画」がアジア20カ国により採択された。
オーストラリアでは、40億豪州ドルを投じる「省エネ住宅推進計画」のほか、商業用・住居用建物の省エネ基準引き上げを目的とした10ヵ年計画が発表された。
日本では、グリーン家電の購入により様々な商品・サービスと交換可能な「エコポイント制度」と、環境性能に優れた車に対する「エコカー減税」が導入され国民の関心を集めた。
ロシアでは、2009年11月に「省エネルギー及びエネルギー効率化に関する連邦法」が制定され、2010年1月に発効することになった。
タイでは、環境に配慮した原材料の調達からリサイクルまでの生産過程を対象に、天然資源環境省が研修・監査・認証を行う「グリーン生産プロジェクト」が開始され、300社以上の企業が参加している。
カンボジアでは、環境に優しい社会の実現を目指して、グリーン成長ロードマップの策定、環境効率指標の枠組み構築、並びに環境上適正な技術の開発に向けた省庁間作業部会が設置された。
ベトナムは、産業全体でクリーナープロダクションの採用拡大を目指す「工業クリーナープロダクション戦略」(2020年まで)を2009年9月に承認した。同国ではクリーナープロダクションプログラムの下、これまでに600社以上が廃棄物発生量及び温室効果ガス排出量の大幅な削減に成功し、気候変動対策のコベネフィットとして実証されている。
ネパールでは、東部開発地域の産業を対象としたクリーナープロダクション評価が行われ、提言をもとに持続可能な生産形態へ移行したところ、コストの低減のみならず省エネルギー化も可能となった
インドでは、持続可能な生産と消費に向けた取り組みが工芸・織物部門で実施されているほか、資源効率の高いレンガ生産の技術開発が進められている。
2009年5月に内戦が終結し、観光産業の復興が進められているスリランカでは、ホテルのエネルギー消費や廃棄物を減らし、再生可能エネルギーの使用推進を図るとともに、観光部門全体のカーボンフットプリント削減を目指す「ホテル・グリーン化計画」が開始された。
その他
水資源管理
UNEPは北東アジアの水資源に関する報告書を発表し、主要河川が既に気候変動による深刻な影響を受けており、早急な対策が求められる点を指摘した。
UNEPとタイ政府は、越境淡水資源に関する国際会議を2009年5月にタイ・バンコクで開催し、越境淡水資源のガバナンス向上に向けた「バンコク行動計画」が採択された。
深刻な水不足と水質の悪化がみられる中央アジアでは、2009年10月に中央アジア5カ国の主要ステークホルダーが小規模越境河川に関する対話を行い、効率的な水資源管理に向けたパイロットプロジェクトを開始した。
韓国では、グリーン成長5カ年計画の中核をなす「四大河川再生プロジェクト」が開始され、最先端の情報技術を活用した水資源管理が進められている。
日本では、政権交代によりダム建設事業の見直しが行われ、2つのダム事業の中止と建設中または計画段階にある143のダム事業の見直しが表明された。

環境教育の導入

フィリピンでは、全ての学校への環境教育の導入を義務化する「環境意識・教育法」が成立した。
 
 
   
HOMEこのサイトについてリンク・著作権プライバシーサイトマップお問い合わせ
Copyright 2005 Institute for Global Environmental Strategies All Rights Reserved.