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UNFCCC COP14 & CMP4サイドイベント
環境省・IGES・海外環境協力センター(OECC)共催サイドイベント:
「市場メカニズムの行方:気候変動緩和策におけるコベネフィットの実現とアジアの経験に基づくCDM改革の提案」
IGESは、環境省および海外環境協力センター(OECC)と共催によるサイドイベントを開催しました。サイドイベントでは、気候変動対策と環境汚染対策などの開発便益を伴うコベネフィット・アプローチの促進に係るこれまでの活動報告が行われるととともに、IGESがアジア諸国を対象に実施してきたCDMに関する途上国等人材育成支援事業の経験や、これらの経験に基づく国際ルール改訂の具体的提案と今後のCDM改革案について発表が行われました。参加者からは改革案に対する具体的なコメントや提案が行われるなど、アジアの経験を基にした今後のCDM改善に向けた積極的な話し合いがなされました。
当日は、各国の有識者や研究機関などから、約80名の人々が参加しました。
日時
2008年12月6日(土) 13:00-15:00
会場
ポズナン国際展示場 Room 5(White-tailed eagle)
資料
プログラムPDF54KB


サマリー

セッション1:気候変動緩和対策におけるコベネフィットの実例について
サイドイベントの前半では、日本政府や日本の開発援助機関である国際協力機構(JICA)からコベネフィット・アプローチに関する取り組みの紹介や具体的な日本とアジア諸国間の具体的な活動成果の発表が行われた。また、海外環境協力センターは、日本政府の支援の下で実施しているコベネフィットの具現化を目指した活動について、気候変動分野に関連する開発ニーズの特定や温室効果ガス削減事業の開発便益の評価指標策定、分野別のプロジェクト例を紹介するグッド・プラクティス・マトリックス等が紹介された。また、インドネシアおよびベトナムの政府担当者から両国における水質改善をはじめとする環境汚染対策と気候変動緩和策を実現する具体的なコベネフィット型プロジェクト候補の調査活動内容やコベネフィット・アプローチを促進するための今後の課題等が発表された。実際のコベネフィット・アプローチに基づく活動の経験や今後の課題が共有され、改めてコベネフィットの重要性が認識されるとともに、今後の活動進捗について参加者から多くの関心が寄せられた。

サイドイベント後半は西岡秀三IGES特別研究顧問がモデレーターを勤め、CDMホスト国での経験に基づくCDM改革提案について行われた。

小圷一久(IGES 市場メカニズムプロジェクト研究員)
2003年よりIGESが取り組んでいる途上国等人材育成支援を紹介した。支援活動はDNA支援、CDMプロジェクト開発支援、CDM関連データや情報の提供から成ることを説明し、本サイドイベントにて支援対象のアジア諸国から各国の経験に基づく報告がされることを述べた。

Joyceline Goco(フィリピン環境天然資源省)
フィリピンで行っているCDMプロジェクトのホスト国承認を行う国家指定機関(DNA)と、民間部門への支援について説明した。プロジェクトによる持続可能な開発(SD)への貢献の重要性を強調し、DNAのコベネフィットを伴うプロジェクトを促進する機能や事業者のSDに貢献するプロジェクト開発能力を支援する具体的な活動を紹介した。また、DNAから事業者に発行される承認レターが手続き上の障害を軽減するために修正されたことや、支援の一環として開催しているワークショップに参加した様々なCDMプロジェクト関係者が直面する課題を説明した。

Haneda Sri Mulyanto(インドネシア環境省)
CDMが途上国にとって複雑、困難でハードルの高い仕組みであることを述べた後、インドネシアでの現状について説明した。同国では承認プロジェクト数が著しく増えた一方で、政策、経済、技術、政治の面での障害がまだ残っていると述べ、特に政策的、政治的な障害に詳しく触れた。政策面では気候変動対策を国の開発計画の中心に据える動きが進まないことなど、政治面では地域コミュニティとの衝突やCER分配についてのプロジェクト関係者間での不合意などがプロジェクト実施を妨げることがあると説明した。

Sum Thy (カンボジア環境省)
登録や承認されたCDMプロジェクトがまだ少ない後発開発途上国(LDC)として、現在のCDMの方法論や規則はLDCの事情がよく反映されていないことを指摘した。特に、大規模プロジェクトは相対的に取引コストが小さくなり有利であるがLDCではそのようなプロジェクトはほとんど実施されないことを述べた。この問題に対しLDCの登録費用軽減することをIGESと協同でCDM理事会に提案し、LDCの登録費用免除という理事会の決定に貢献したのではと述べた。また、LDCのプロジェクトに対する再審査手続きの短縮もIGESと協同で理事会に提案したことを説明した。

各国からの発表後、水野勇史IGES市場メカニズムプロジェクトマネージャーが、これらの国々における人材等育成支援活動の経験を踏まえたCDM改革提案について説明した。追加性に対する厳しい審査は、初期コストのかかるCDMプロジェクトにさらにリスクや予測不可能性を与え、プロジェクト実施のインセンティブをそぐことがある矛盾をかかえていると指摘した。よって、明確に追加的な温室効果ガス削減に貢献する特定の種類の再生可能エネルギープロジェクトに限っては、追加性審査を免除すべきと説明した。

発表後、参加者を交えてのディスカッションが行われた。CDMプロジェクト開発への投資に興味を持つ参加者からは、投資家や事業者とCDM理事会との公式なコミュニケーションの場が無いことを指摘し、そのような場をつくることがCDMへの投資の持続に不可欠ではないかと述べた。CDM改革に関しては、LDCの登録費用免除による効果について質問され、Sum氏がカンボジアではまだプロジェクト数は伸びていないが事業者にインセンティブを与えていると回答した。また、追加性について特定のプロジェクトに免除を許せば、他のプロジェクトにも影響し環境十全性への疑問が強まるのではという意見が出た。


お問合せ
IGES市場メカニズムプロジェクト
cdm-info@iges.or.jp

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