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E-alert Interviews 第9回 (August 2008)
日中環境協力の架け橋を目指して ーオリンピックを迎える中国の今ー

小柳秀明
IGES北京事務所所長

インタビュー[後編]実施日:2008年9月1日
≫前編はこちら


【続編】オリンピック期間中の大気汚染対策結果を実際に見て…

----オリンピック期間中ずっと北京に滞在されていたそうですが

小柳:
表1:オリンピック開会以降の大気汚染の様子
表1:オリンピック開会以降の大気汚染の様子 ※クリックして拡大
期間中毎日、空を見上げ続けていました。
その実感と、北京市が毎日午後3時頃に発表するその日の大気汚染状況とを見比べていました。その結果を整理したのが表1です。

オリンピック期間中の空気は、過去に例のないほど良好な空気を維持できていたと北京市も強調していますが、私の実感もそれに近いものがあります。1997年から延べ9年間、北京に滞在して来ましたが、これほど頻繁に青空が見られた記憶はほとんどありません。長く現地に住んでいる友人と「北京らしくないな」と顔を見合わせました。その理由としては、まず第1番目に、やはり数々の大気汚染対策が功を奏した結果ではないかと思います。
それに加えて「天も味方した」。

図1:2008年7-8月北京市大気汚染の推移
図1:2008年7-8月北京市大気汚染の推移  ※クリックして拡大
図1は、6月末から約2ヶ月間の北京市の大気汚染状況を、北京市が発表している大気汚染指数(API)で表したものです。この数字が100以下であれば汚染のない日と定義されています。数字が小さいほど空気がきれいなわけです。

前回お話ししたように、7月1日から第1段階の臨時規制措置、7月20日から第2段階の臨時規制措置がとられましたが、このような厳しい措置を執っても、気象条件によっては7月下旬頃のようにAPIが100を超え、汚染がひどくなることもあります。しかし、幸いなことにオリンピック期間中は、開会式の前後と閉会式の前後に少し濃度が高めになった以外は良好な大気質を維持できていたようです。これは、期間中4回にわたり大雨が降り、汚染物質を「洗い流した」効果もあると考えられます。

---- どのくらい空気がきれいだったか、私たちにも実感できるように教えていただけますか。

小柳:
東京や大阪の平均的な汚染の程度と比較すると、オリンピック期間中の北京の汚染程度は約2倍でした。非常に良好だったといってもそれでも東京・大阪の2倍は汚染されていたという訳です。普段は5倍程度ですから、まだまだ改善は必要です。

---- 「天も味方した」環境対策の結果に、改めて点数を付けると何点でしょうか?

小柳:
オリンピックにちなんで、結果だけを評価すれば、金メダルの成績に値する結果だと思います。でも前回もお話ししたように、車の走行台数の半減措置、工場の操業制限、土木工事の一時停止などの臨時規制措置をとっての結果ですから、長く続ければそれだけその弊害も出てくるわけです。小さな話ですが、北京事務所の備品の配達を頼んだら、「ナンバープレート規制のため、今日は配達できません。」と断られました。こういう社会への影響も加味すると、立派な成績だったが、一時的に能力を高めただけの「ドーピング」の疑いもあるともいえます。

オリンピック終了後、北京市では、良好な空気の質を引き続き維持するため、9月20日以降も一部の臨時規制措置を継続することを検討し始めたとも聞いています。是非とも持続可能な措置を検討し、さらに住みやすい都市を目指してもらいたいと思います。そうでないと私も安心して仕事ができないですから(笑)。

---- ありがとうございました。






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