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■IGESとUNESCAPがアジア太平洋ダイアログを共催
将来枠組みへのアジアの積極的な参加に向けCDM政策オプションを検討
2006年4月5日
財団法人地球環境戦略研究機関(IGES、神奈川県葉山町 理事長 森島昭夫)は、2006年3月29日(現地時間)、タイ・バンコクにおいて、「気候変動対策行動への非附属書I国参加のための革新的オプションに関するアジア太平洋ダイアログ*1を国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)と共催で実施し、気候変動に関する将来枠組みへのアジア各国の積極的な参加を促進するための政策オプションを検討しました。

アジアの発展途上国では、今後、温室効果ガス(GHG)排出の大幅な増加が懸念されています。昨年2月の京都議定書発効以降、各国では、温室効果ガス(GHG)排出削減を促進するクリーン開発メカニズム(CDM)に対する取り組みが活発になってきていますが、京都議定書以降の将来枠組みにおいても積極的に参加し、GHG削減に取り組むことが期待されています。そのためには、CDM制度の見直しを中心に、アジアの発展途上国の関心に即した各種政策オプションを構築する必要があります。

本ダイアログには、アジア各国*2の行政府やEU代表部を始め、学界、NGO、研究機関から約30名が参加。これまでに各国の研究者等から提案されている(1)ポリシーCDMや(2)CDMの追加性条件の緩和に加え、(3)認証排出削減量(CER)の割引制度と組み合わせた途上国による単独CDM事業等、途上国の参加を促進する各種政策オプションが提示されました。さらに、これらのオプションについての政策的実行可能性や、アジアの途上国にとってのメリット、デメリットについて協議されました。特に途上国からの参加者からは、途上国に対する技術移転、資金支援の必要性が提示され、今後もこうした課題を解決し、途上国の気候政策への参加を促進するオプションの検討を進めていく必要性が確認されました。

IGES及びUNESCAPは、今後、こうした課題に対する議論をさらに促進するともに、その協議結果を政府関連委員会や国際会議などの場を通じて広く公開し、積極的に政策形成への反映に努めて参ります。


【本件に関する問合せ先】
担当:IGES気候政策プロジェクト 須藤智徳
Email: cp-info@iges.or.jp

(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
〒240-0115 神奈川県三浦郡葉山町上山口2108-11
広報担当:城戸めぐみ
Tel: 046-855-3734 / Fax: 046-855-3709


*1 Asia-Pacific Dialogue on Innovative Options for Non-Annex I Countries Participation for Climate Change Action
*2 日本、タイ、インドネシア、中国、ベトナム


<政策オプション補足説明>
(1) ポリシー(政策)CDM:
ポリシーCDMとは、再生可能エネルギー政策、省エネ基準といった政府による政策をCDMとして取り扱おうとするもの。昨年11月の国連気候変動枠組条約(UNFCCC)京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)では、ポリシーCDMはCDMとして認められないものの、プログラムの下で諸条件を満たせば、個別のCDMプロジェクトとして認めるとの決定がなされている。

(2) CDMの追加性条件の緩和:
温暖化ガス排出削減事業がCDMとして認められるためには、CDM事業活動がない場合に生じる排出量の削減に「追加的」に排出量削減が行なわれるものである必要がある。このCDMが「追加的」であるための条件(追加性条件)をどの程度厳しくすべきかもしくは緩和すべきかとの議論がある。本ダイアログでは、CDMの追加性条件のうち、特に投資に関する条件(排出削減量の売買収益がなければ事業投資ができず、事業として成立しない)についての緩和が主張された。

(3) 認証排出削減量(CER)の割引制度と組み合わせた途上国による単独CDM:
CDMは、温室効果ガス排出量の数値目標が設定されている附属書I国が関与して、数値目標が設定されていない非附属書I国(途上国)において実施する排出削減プロジェクトであるが、途上国が附属書I 国の関与なしに自ら実施する事業についてもCDMとして認められる場合がある。本ダイアログでは、こうした途上国による単独CDMに加え、CDMにより生じる認証排出削減量(CER)が発行される際に一定量を割り引いて留保し、同留保分を利用して排出削減量の需給の調整を図ることにより、排出削減量取引価格の安定化を図ろうとする仕組みが提案された。

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